髪が肩まで…押尾被告 一部で無罪主張「ゾンビのように」

[ 2010年9月3日 15:02 ]

一部で無罪を主張した押尾学被告

 合成麻薬MDMAを一緒にのんで容体が悪化した知人女性を死亡させたとする保護責任者遺棄致死、麻薬取締法違反(譲り受け、譲渡、所持)の罪に問われた元俳優押尾学被告(32)は3日、東京地裁(山口裕之裁判長)の裁判員裁判初公判で遺棄致死罪と譲渡罪の起訴内容を否認、無罪を主張した。残る二つの罪は大筋で認めた。

 有名タレントが審理の対象となる裁判員裁判は初めて。押尾被告は「保護責任はありません。(女性を)少し休ませれば助かると思い、救急車を呼ぶことは考えなかった。すぐに蘇生させようとしたが、そのかいなく死亡した。わたしは無罪です」と述べた。
 裁判員は男性4人、女性2人。この日は発言の機会がなかった。
 起訴状によると、被告は東京・六本木ヒルズのマンションで昨年8月2日午後、飲食店従業員田中香織さん=当時(30)=と一緒にMDMAをのみ、田中さんの容体が急変したのに、救急車を呼ぶなど適切な救命措置を取らずに放置して同6時47分~53分ごろに死亡させた、などとしている。
 冒頭陳述で検察側は「被告がMDMA服用の発覚を恐れ、救急車を呼ばなかった。すぐに119番すれば、救命できた」と指摘。弁護側は、田中さんの死亡推定時刻を午後6時ごろと主張し「119番しても助からなかった」と訴えた。
 被告が田中さんにMDMAを渡したかどうかについて、検察側は、被告が田中さんに「来たらすぐいる?」とのメールをしていることなどから、被告が渡したと主張。これに対し弁護側は「田中さんが自分で入手し、持参したものを飲んだ」と反論した。
 このMDMA使用の罪で被告は昨年11月、懲役1年6月、執行猶予5年が確定している。
 地裁によると、初公判の傍聴希望者は一般傍聴61席に対し約25倍の1554人。第2回公判は6日で、違法薬物を被告と一緒に使った経験があると供述している女性ら6人の証人尋問を行う。

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2010年9月3日のニュース