【1】歌手になるために10歳で路上へ

[ 2010年4月6日 06:00 ]

笑顔でインタビューに応える中川あゆみ

 5月5日にエイベックスから「事実~12歳で私が決めたコト~」でデビューする中川あゆみ(13)。スポニチアネックスでは、地元横須賀でのライブ終了後の彼女にインタビューを行い、「事実しか歌わないと決めた」歌姫の素顔に迫った。

 落ち着いた表情。丁寧な言葉使いで、しっかりとした語り口。13歳とは思えないほど、大人びている。

 「事実だけを伝えていく中で、日本語を勉強するために本を読んでいます。『大人のためのマナー講座』とか『大人の作法ベスト100』とか。『僕は勉強ができない』という小説を読んで、こんな日本語があるのか、と。だから最近は小説にはまってますね」。

 すべては自分の経験した「事実」をちゃんとした日本語で伝えられるようにするため。あとは、大人と接する機会が今後増えるため、歌だけでなく礼儀も自ら必要と感じて学んでいる。

 「あいさつする機会が多くて。自分もマナーを知っていなければ恥ずかしい目にあってしまう。だから、そういうマナー講座を読んでます。でも、それがなかなか実践できてなくて。困ったもんだと(笑)。これから成長していくために、気をつけようかなと思います」。

 6歳で「歌手になる」という夢を抱いた。ギターを始めたのは5歳。きっかけは、祖母で現在の義母・登志子さんの「あゆみにギターを弾いて(登志子さんが好きな)長渕剛さんを歌ってもらう」という夢だった。

 「5歳の誕生日にプレゼントしてもらいましたね。最初はクラシックギターから始めて、徐々にエレキ、フォークになっていった。『禁じられた遊び』(山口百恵)を練習してました」。

 やがてギター教室に通い、教室開催のジュニアコンサートで“歌手”デビュー。初めて人前で自らの歌声を披露した。最初に弾いた曲は2000年にミリオンセラーとなった福山雅冶の「桜坂」だった。

 「お正月に毎年ジュニアコンサートっていうのがあって、マンションのでかいフロアみたいなところで初めて歌いました。マイクとかアンプとかもなくて…。ドレミファソラシドで福山雅冶さんの『桜坂』を弾いた。それからは主に長渕剛さんの『とんぼ』とか『巡恋歌』を歌ってましたね」。

 人前で歌い終わったあとの声援が心地いい。そう感じた。「歌手」になる夢はどんどん膨らんだ。10歳で決意した。まずは度胸をつけようと。そう思ってから、地元横須賀で週末に時間を見つけては路上ライブを行った。これまで70本以上。現在も続けている。

 「(6歳から通っている)ギター教室の先生が最初に(教室で開催する)ライブに出させてくれて、どんどん人前で歌うことに慣れていって。みんな応援してくれるのが楽しくて、歌手になろうと思った。でも、度胸がまだ足りないと気付いたから、ストリートを始めました。夢は歌手だったから。度胸をいっぱいつけなきゃなと思って」。

 「初めての(路上)ライブから緊張感はなかった。舞台裏では緊張してますけど、歌ってしまったら全然気持ちいいんですよね。それが好きで歌ってます」。

 ライブを始めて4年が経つ。お客さんのリクエストに応えるたびに演奏曲は増えていき、今では100曲を越えた。とんぼ(長渕剛)、上を向いて歩こう(坂本九)、神田川(かぐや姫)といった昭和の名曲から、愛のうた(倖田來未)、三日月(絢香)など最近の局までバリエーションは広い。地元の声援も日に日に増えていった。

 「横須賀のみなさんがすごい温かくて。いつも歌ってるときに、いっぱい集まってくれて、拍手してくれる人もいて、とっても楽しかった!ドキドキも全然なくて。あぁいい街だなって思います」。

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2010年4月6日のニュース