石井一久氏 ドジャース・由伸の修正力は一流選手の証 ズドン系直球&膝下フォークで見違える安定感

[ 2024年4月1日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース5-6カージナルス ( 2024年3月30日    ロサンゼルス )

<ドジャース・カージナルス>9回、マンシーの適時打に沸く山本(中央)らドジャースナイン(撮影・白鳥 佳樹)
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 ドジャースに02年から3年間在籍し、1年目には14勝を挙げた石井一久氏(50=現楽天シニアディレクター)が山本の本拠地デビュー戦を分析。昨季まで楽天の監督として対戦していた同投手の調整能力の高さを好投の要因に挙げた。

 一流の投手というのは、悪かった時にどこが悪かったのか分析し、それを次回登板までに修正できる能力がある。この日は昨季までの本来の山本だった。

 真っすぐはビューンというよりは、重いズドン系。カージナルス打線は数字以上に速く感じているようなスイングだったし、さらにそうさせていたのがフォークの精度。ほとんど膝から下に落ちていたし、それも打者が振り始めるところで落ちる。韓国での登板とは見違える安定感があった。

 カーブも効果的だった。この試合は全投球の26%で、オリックス時代(昨季は平均16%)より高い。僕の経験上、メジャーの捕手は質の高いカーブを使える投手に対しては、カーブを多く要求する傾向がある。奥行きを使える球種というのは心強く感じるのだろう。

 ドジャースは00年から19年にかけて本拠地で1471試合連続雨天中止なしという記録を作ったように、ロサンゼルスで雨は珍しい。乾燥しているキャンプ中のアリゾナよりボールのフィーリングが合うのは間違いないが、それ以上に前回から全てにおいてアジャストしてきたことが好投の要因だと思う。

 投手は自身の勝ち星はコントロールできないが、できれば勝ちをつけてあげたかった。僕も1年目のオープン戦は結果もよくなかったが、初登板初勝利から連勝(6連勝)する流れをつくれた。数字がつくと、やはり心に余裕が生まれる。その意味でも早いうちに1勝が欲しい。

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