ドジャース・由伸 米でも修正力の高さで対応できる オリックス時代の恩師が太鼓判、心配点も明かす

[ 2024年3月1日 01:30 ]

オープン戦   ドジャース4―6レンジャーズ ( 2024年2月28日    サプライズ )

山本(左)からWBC優勝メダルをかけてもらう高山郁夫氏
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 オープン戦のデビュー登板で鮮烈な印象を残したドジャース・山本。古巣のオリックスで昨年まで投手コーチを務めた恩師である高山郁夫氏(61)は、教え子の新天地での活躍に太鼓判を押し、当時の思い出なども語った。

 由伸は珍しく緊張していたようだが、直球もカーブもスプリットも腕を振ってストライクゾーンに投げ込め、フォームにも躍動感があった。悪い時は直球が高めに抜けてシュート回転する。この試合を見る限りでは、しっかり投げられている。

 由伸との出会いはオリックスにコーチとして復帰した2017年の秋季キャンプ。当時の福良淳一監督(現GM)から「凄くいい球投げる1年生がいる」と紹介された。ただスライダーを多投すると肘が重たくなって10日間近く空けないと投げられないという。翌18年、由伸は自主トレから“やり投げトレ”を始めた。見ると肘を伸ばしたまま遠投をしている。その時に肘か肩が飛んでしまうのではないかと懸念した。「どうなんだ?」と聞くと「開幕までに何とかします」と。言葉通り開幕には肘を畳んだ良いフォームで投げていた。同年は54試合で32ホールド。オフに由伸が「ずっとリリーフですかね?」と聞いてきた。「違うよ」と返すとニッコリ笑ったのを覚えている。その時から将来的に先発でメジャーに挑戦することを描いていたと思う。

 由伸は19年以降、5シーズンで4回しか連敗がない。軌道や回転数など投球データを分析し、敗因を追究する。新天地でも修正力の高さで対応できる。心配なのはピッチクロック。一球一球、集中して自分が納得して投球動作に入っていくのだが、時に集中が高まり間延びすることがある。時間に追われた時に神経質になってリズムを崩してしまうのではないか。先発の5年間、ほぼ中6日より間隔を詰めた経験もない。由伸が壁を突き破ってくれることを願っている。

 ◇高山 郁夫(たかやま・いくお)1962年(昭37)9月8日生まれ、秋田県出身の61歳。秋田商で春夏3度の甲子園出場。プリンスホテルから84年ドラフト3位で西武入り。広島、ダイエー(現ソフトバンク)と渡り歩き、現役通算成績は92試合の登板で12勝12敗、防御率5.16。引退後は指導者として活躍し、14、15、18年から昨年までの計8年間はオリックスで主に投手コーチで、昨年までのリーグ3連覇に貢献。

 ≪2連敗以上は4度のみ≫オリックス時代の山本の先発での2連敗以上は計4度ある。そのうち2試合以上連続敗戦投手は21年の3試合連続と23年の2試合連続の2度しかない。なお、先発での3連勝以上は20年からの4年間で9度記録。21年には3連敗直後の5月28日ヤクルト戦からシーズン終了まで15連勝。阪急時代の73年米田哲也の14連勝を上回る球団新記録をマークし優勝に大きく貢献した。

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