オリックス・山本 視察したメジャー13球団以上のスカウトも驚愕したノーノー「注目されることは…」

[ 2023年9月10日 05:00 ]

パ・リーグ   オリックス4ー0ロッテ ( 2023年9月9日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>ノーヒットノーランのオリックス・山本(撮影・長久保 豊)
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 オリックスの山本由伸投手(25)が9日のロッテ戦(ZOZOマリン)で自身2度目、プロ野球で節目の100度目となる無安打無得点試合を達成した。102球を投げ、9回を1四球、1死球に抑え、1941年亀田忠(黒鷲)以来82年ぶりとなる2年連続の達成で14勝目を挙げた。今オフにもメジャー挑戦の可能性がある右腕は、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(56)を筆頭に13球団以上のスカウトがネット裏で視察する中で最高の結果を残した。連敗を止めたチームは、優勝マジックを2つ減らして「12」となった。

 9回2死一塁、山本が最後の打者・藤岡をフォークで二ゴロに打ち取ると、マウンド付近に歓喜の輪が広がった。エースの元に、ナインが駆けつける。祝福のウオーターシャワーを浴びせられ、ようやく笑顔がはじけた。

 「最後の1人までドキドキだったんで、とりあえずホッとしている。9回、マウンドに上がる時から凄い歓声だったので、気持ち良く投げられた」

 立ち上がりからスピード、切れ、制球の全てが完璧だった。最速156キロの直球と多彩な変化球を自在に操った。8回には山口、角中、安田を3者三振とスパート。三塁を踏ませず、昨年4月10日に自軍が佐々木朗に完全試合を食らった球場でリベンジに成功した。

 期待に応えて結果を出すから絶対エースと呼ばれる。4回終了時にロッカーで先制3ランの杉本から「完全試合意識すんなよ」と重圧!? をかけられた。6回先頭の安田にストレートの四球を許して完全試合が途切れ「そのせいで多分、四球出ちゃいました」とヒーローインタビューで舞台裏を明かし、笑った。

 今オフにもポスティングシステムを利用してメジャー挑戦の可能性がある右腕の視察に、ヤンキースのキャッシュマンGMを筆頭にメジャー13球団以上のスカウトがネット裏に詰めかけた。歴史的快挙の瞬間にはスカウト陣もスマートフォンで撮影するなど大興奮。重圧も、期待も、注目も、全て受け止め、最高の結果を出した。

 ただこの快挙も山本にとってはマイルストーンに過ぎない。「注目されることは凄くうれしいし、いい結果が出たので良かった。もっともっと頑張って、いい球を投げられるようにしたい。高みを目指して頑張りたい」

 この日の8奪三振で勝利数、防御率、勝率に続いて奪三振145でも、種市(143)を抜いてトップに立った。優勝マジックは2つ減らして「12」。それでも浮かれることはなく「凄く勢いづく試合になったと思う。試合がまだ残っているので、全員で戦っていけたら」と、すぐに3連覇を目指すエースの顔に戻った。 (中澤 智晴)

 ≪82年ぶり3人目の2年連続ノーノー≫山本(オ)がノーヒットノーランを達成した。8月18日西武戦での石川(ソ)に続きプロ野球88人、100度目。山本は昨年6月18日の西武戦以来2年連続2度目だ。複数回のノーヒットノーラン達成は72年に3度目をマークした外木場義郎(広)以来51年ぶり10人目。2年連続は36、37年の沢村栄治(巨)、40、41年の亀田忠(イーグルス、黒鷲)以来82年ぶり3人目の快挙となった。

 ◇山本 由伸(やまもと・よしのぶ)1998年(平10)8月17日生まれ、岡山県出身の25歳。宮崎・都城から16年ドラフト4位でオリックス入団。19年に最優秀防御率、20年に最多奪三振のタイトル獲得。21年は球団新の15連勝を含む18勝で優勝に貢献。22年は6月18日の西武戦でノーヒットノーランなど15勝。2年連続で防御率、勝利数、勝率、奪三振の投手4冠に輝き、リーグMVPと沢村賞も2年連続受賞。19年プレミア12、21年東京五輪、23年WBC日本代表。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

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