日本ハム・郡司、仙台育英&慶応にエールのプロ初2発 縁ある両校へ「どっちが勝っても郡司が優勝」

[ 2023年8月23日 06:00 ]

パ・リーグ   日本ハム6―2楽天 ( 2023年8月22日    エスコンF )

<日・楽>6回、ソロを放つ郡司(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハム・郡司裕也捕手(25)が22日、楽天戦に「6番・DH」で先発出場。初回に2号2ラン、6回は3号ソロで自身初の1試合2本塁打を記録して勝利に貢献した。23日に行われる夏の甲子園大会決勝に臨む仙台育英OBで、慶大OBでもあるため、相手の慶応も弟分のような存在。3年夏に準優勝も経験した男が、特別な舞台に臨む2校へ“応援弾”を送った。

 打席に立った郡司が、燃えないはずはなかった。23日の甲子園決勝は、母校・仙台育英とゆかりある慶応。「凄いことじゃないですかね、これは。実質郡司対郡司。どっちが勝っても、郡司が優勝みたいなところがあるので」。そうお立ち台で振り返ったように、“後輩”たちへエールの2発を放り込んだ。

 まずは初回だ。1死から3者連続二塁打で2点を奪い、なおも2死二塁。早川から左翼ブルペンへ運ぶ2号2ランを放った。さらに2点リードの6回1死では再び左翼へ3号ソロ。1試合2発はプロ入り初となり「打てると思っていなかったが、甲子園決勝の両校にエールということで」と、苦笑いだった。

 実は試合前、郡司は頭を抱えていた。母校はもちろんだが、慶応は幼少期から憧れで高校受験。結果的に不合格で仙台育英へと進んだが、憧れを捨てきれずに慶大に進んだ経緯がある。どちらか一方を応援することはできない。だからこそ「(2本目は)めちゃくちゃ狙っていました」と、エールを込めた2本のアーチを描いた。

 “お得意さま”でもあった。4年秋の東京六大学リーグ早慶1回戦。当時早大3年の早川から左翼へ2打席連発を放ち、チームを3季ぶりのリーグ優勝へと導いた。今年3月のファーム交流戦では早川の前に無安打に終わり「過去の話です」と一蹴されたというが、郡司は「やり返してやりました」と“再現弾”でしてやったりだ。

 運命の一戦は、午後2時プレーボール。試合前の練習時間とかぶるだけに郡司は「(エスコンの)ビジョンに流してほしいくらい。多分、(練習に)集中できないです」と笑う。これ以上ないエールは送った。あとは両校が頂上決戦で素晴らしい戦いを見せてくれることを願う。(清藤 駿太)

 ◇郡司 裕也(ぐんじ・ゆうや)1997年(平9)12月27日生まれ、千葉県出身の25歳。仙台育英では3年時に春夏連続甲子園出場し、夏は準V。慶大では主将で4年秋に東京六大学リーグ3冠王に輝いた。19年ドラフト4位で中日に入団し、今年6月に日本ハムへトレード移籍。1メートル80、89キロ。右投げ右打ち。

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