矢野燿大氏 手ごわい広島・床田から「連打や本塁打は難しい」 原口の打撃で感じた攻略の糸口とは

[ 2023年8月18日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神0-6広島 ( 2023年8月17日    マツダ )

矢野燿大氏
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 阪神前監督の本紙評論家、矢野燿大氏(54)は4回に投手の床田に痛打された初球について捕手・坂本の意識を問いつつ、広島・床田に対しては完封を許しても今後の対策につながる打撃があったと見た。 (構成・畑野 理之)

 ――4回の3失点で試合が決まった。失策で1点を取られた後、なお1死一、二塁で投手の床田に初球カットボールを右越え二塁打がもったいなかった。
 「振り返ってみたらそうだけど、バッテリーがどういう意識だったか。打ってくることも、バントしてくる可能性も両方あった。それらを分かった上での初球カットなら、不用意だとは言えない。ただ、捕手の坂本が“床田は打撃がいい”という情報をビーズリーにもっと強く言うべきだったかな。投げた球も半速球のカットで、真っすぐ待ちの投手にはタイミングが合いやすかった。もっと速くするか、遅くするか…という手もあった」

 ――序盤で点差が開き、床田には完封を許した。
 「床田は真っすぐも変化球も良いし、高低も左右も使えて、球種も多い。調子が良かったり、この日のように点差が開けば、狙い球も絞りにくいし、ゴロを打たせようとしてきて、連打や本塁打は難しい投手だ」

 ――前回7月の対戦時は故障で不在だった近本は今季初対戦で4打席で1四球だけ。近本は昨季も床田に17打数3安打(打率・176)だった。
 「近本に限らず、左打者は、やっぱりあのツーシームが邪魔になる。でも、ノイジーや小野寺など右打者で、いい打球もあった。原口の二直は菊池に好捕されたが、外の変化球を捉えた、いい内容だった。たまたまではなく、内角真っすぐをファウルで粘って、そこ(外角)にもってこさせたものだった」

 ――今季は巡り合わせで床田の阪神戦登板は今回が2度目。今後は残りのペナントレースでも、CSでもまだ対戦が増えるかもしれない。
 「広島は床田中心のローテーションを組んできそうだし、原口の打撃をはじめ、次回の対戦へ、チームとして何か攻略の糸口となる可能性を感じた。今日のように点差が開いて、余裕をもたせてしまわないように投手も粘らないといけない。ゲーム差はまだまだ開いているし、この日の1敗がもの凄く痛いわけでもないが、楽観視はできない」 (本紙評論家)

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