佐々岡真司氏　スクランブル登板だった広島・中崎　内角突いて村上を空振り三振に仕留めた投球は圧巻

セ・リーグ   広島5―3ヤクルト （ 2023年7月26日    マツダ ）

佐々岡真司氏
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　【佐々岡真司氏　視点】村上を空振り三振に仕留めた広島・中崎の投球がポイントだった。2球目に坂倉のサインに首を振り、外角へスライダーを投げた以外は真っすぐで押し、カウント1―2からの最後2球は強気に内角を突いてファウル、空振りを奪ってみせた。

　2点優勢の7回2死から、栗林が青木への死球で危険球退場となった直後のスクランブル登板。ましてや一発長打のある昨季の3冠王が相手だ。インコースへはなかなかいけない。村上にしても、外中心の配球を想定していたのではないか。

　リーグ3連覇を果たした時の守護神。気持ちの強さや豊富な経験を持っていても、緊急の場面での救援登板はほぼないと思う。要求通りに投げ切り、敵の主砲から空振り三振を奪った制球、勇気は見事で特筆に値する。

　それはまた広島投手陣の強みとも言える。接戦を競り勝ち、劣勢を逆転しての9連勝。中継ぎ陣が果たした貢献度は決して小さくない。若手の手本になる投球。練習熱心で、体の手入れを怠らない中崎が緊迫したあの場面で、勇気ある姿を見せたことに意味がある。（本紙評論家）