日本ハム 13連敗で止まる 球団ワースト回避 新庄監督「日本シリーズ優勝と同じくらいうれしい」

[ 2023年7月27日 05:23 ]

パ・リーグ   日本ハム3―2楽天 ( 2023年7月26日    楽天モパイル )

連敗を止めタッチを交わす新庄監督ら日本ハムナイン(撮影・光山 貴大)
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 日本ハムは26日、楽天戦に3―2で勝利して連敗を13で止めた。2点リードの8回に追いつかれながら、9回に4番・万波中正外野手(23)の適時内野安打で勝ち越した。敗れれば1984年に喫した球団ワーストの14連敗に並ぶという土壇場で、大型連敗中に何度も落としてきた1点差ゲームを制した。借金17の最下位という苦境は変わらないが、チームはこの1勝をきっかけに再起を図る。

 暗く長いトンネルを抜けた先に、日本ハムナインの笑顔が広がった。5日ソフトバンク戦から続いた連敗を13で止め、84年の球団ワースト14連敗に並ぶ屈辱を阻止。新庄監督は開口一番、両手を上げて喜びをこう表した。

 「2006年の日本シリーズに優勝した時と、同じくらいうれしいよ。あー、良かった、良かった」

 止めたのは若き4番だった。同点の9回1死から松本剛が左中間二塁打で口火を切り、清宮が右前打で続き一、三塁の好機に。迎えた万波は「どんな形でも三塁走者を還したかった」。3番手・安楽に裏をかかれ直球2球で追い込まれたが、外角のチェンジアップに食らいつき、泥くさく遊撃内野安打で勝ち越し点をもぎ取った。

 13連敗中の1点差負けは8試合。今季26度の1点差負けは、次ぐ西武の16度と大差がある。投手陣はリーグ1位の防御率2・97ながら、リーグワーストの打率・227と、打線の低迷が大きな要因だった。それでも、新庄監督は「今日負けたら日本記録目指そうかなと思っていた、逆に名を残すというか」。選手に重圧を与えないように、開き直って明るく接してきた。

 この日も5回無死一塁で助っ人ハンソンに送りバントのサインを送るも、空振りとファウルで追い込まれた。「バントのサインを出して失敗して、打てのサイン出したらまたバントして。もういいって打たせたら打った(笑い)」と4回まで無安打に封じられていた荘司からのチーム初安打が先制2ラン。開き直りが奏功し、災い転じて福となった。

 1点差で涙をのみ続けてきたチームが、勝負弱さからの脱却を予感させる1点差勝利をつかんだ。万波は「投手陣が踏ん張ってくれていたので、そういう積み重ねかなと思う」と感謝した。新庄監督も「あの笑顔を見たら、もっと勝たせてあげたいと思う。こっから25連勝くらいする勢いになったと思うから、それ目指します」。いかなる時も忘れなかった明るさで、大きな高みを描いてみせた。(清藤 駿太)

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