東邦・明石さん　マネジャーの教育的価値を調査、コーチも頼りにする存在

第95回選抜高校野球大会3回戦   東邦4―5報徳学園 （ 2023年3月28日    甲子園 ）

声援を送る明石マネジャー（前列右から2人目）
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　【いっちーの球春胸キュン日記】東邦のマネジャー・明石実也さん（3年）と出会ったのは昨年12月の日本野球科学研究会。野球を科学的見地から研究した成果を発表する場でハツラツと話す姿が印象的でした。「野球強豪校女子マネジャーの実態調査」と題し、マネジャーの教育的価値について自ら調査。規律性や主体性が成長することを数値化し、奨励賞に選ばれました。

　魅力的な笑顔はかつて舞台子役だった証。「劇団四季に入りたい！」。将来もスポットライトを浴びることを夢見て、歌やダンスに明け暮れました。しかし中学2年の時、大切な喉に結節ができ、夢半ばに…。「違うことにも挑戦しよう」。兄の影響で身近だった野球も好きだと気づき、徒歩圏内の東邦へ進学しました。

　表舞台に立っていた時とは一転、今は黒子役として選手をサポート。グラウンドではヘルメットをかぶって打撃練習のトスをするなど、木下達生コーチが「プレーイングマネジャー」と頼りにする存在です。研究を通じてマネジャー業に自信を持って取り組んでいます。

　仲間が連れてきてくれた“ステージ”は「すてきで楽しかった」。25日の高松商戦は記録員としてベンチ入りもしました。新たに見つけた夢舞台で、とびっきりの笑みがはじけた春でした。
（市川　いずみ）

　◇市川　いずみ　京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。