仙台育英　足攻8強　須江監督「機動力と打力のコラボレート」采配5盗塁12安打　夏春連覇へ進撃

第95回選抜高校野球大会第9日・3回戦   仙台育英6－1龍谷大平安 （ 2023年3月28日    甲子園 ）

＜龍谷大平安・仙台育英＞準々決勝進出を決め笑顔の仙台育英ナイン（撮影・大森　寛明）
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　昨夏に東北勢初の日本一を達成した仙台育英が、先制、中押し、ダメ押しの理想的な展開で8強入りを決めた。須江航監督は「初戦で私たちの打力が足りないことを学んだ。その中で僕たちが相手を上回れるのは何かと考えました」と言った。

　初戦の慶応（神奈川）戦は貧打に苦しみ延長10回タイブレークの末に2―1でサヨナラ勝ち。指揮官は頂点に立つため、自身の采配を見直した。普段の力が出せないことも見込み、たどり着いた答えは「機動力と打力のコラボレートすること」だった。

　初回先頭、左前打で出塁したプロ注目の遊撃手・山田脩也主将（3年）が「ちゅうちょしていたら試合の流れが（相手に）行ってしまう」と次打者の初球にディレードスチール。三塁まで進塁後、後続の一ゴロの間に先制のホームを踏んだ。指揮官は「自分たちの野球をやりたいという意思表示ができた」と振り返った。

　主将の積極的な姿にナインも続く。データ班による研究で相手先発のサイド右腕・桑江駿成（3年）のモーションが大きいことを把握。雨天順延が2日もあり準備も万端だった。初回、3回に橋本航河（3年）、5回、8回に浜田大輔（2年）が盗塁に成功して計5盗塁。機動力で相手バッテリーを揺さぶったことで打線も活発となり、12安打で6点を奪った。

　「コラボレート采配」で勝利し、連戦となる準々決勝の相手は報徳学園（兵庫）。39歳の若き名将は「明日が決勝戦、というつもりで臨まないと勝てない相手」と気を引き締める。夏春連覇の偉業達成へ、あと3勝だ。