高知の翔タイム 背番17辻井翔大が二刀流躍動 投げて7回1/3を1失点 打って逆転三塁打

[ 2023年3月19日 05:30 ]

第95回選抜高校野球大会第1日・1回戦   高知4―1北陸 ( 2023年3月18日    甲子園 )

<北陸・高知>2回、適時三塁打を放った辻井はガッツポーズ(撮影・岸 良祐) 
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 コロナ禍以前の本来の姿を取り戻し、開幕した。1回戦3試合が行われ、高知(高知)は北陸(福井)を破って2年連続の初戦突破。背番号17の右腕、高知・辻井翔大(2年)が投げては先発して7回1/3を1失点、打っても2回に左越え決勝2点三塁打と「投打二刀流」の活躍を演じ、勝利をたぐり寄せた。

 選抜でも「翔タイム」だ。甲子園で公式戦初先発を託された高知の背番号17・辻井翔大が、投打二刀流で魅了した。制球が不安定な初回に先制点を献上。「緊張してテンパりました…」。思うように動かない体をほぐしたのは、自身のバットだった。

 0―1の2回2死一、二塁で打席が回った。「点が入れば余裕を持てるのではないか」。カウント1―2から高めに入ったスライダーを強振。角度良く上がった飛球は左翼手のグラブをわずかに超えて、逆転の2点三塁打となった。「初安打が甲子園。財産になりました」。この殊勲打が公式戦初安打だった。

 この一打をきっかけに別人の投手に生まれ変わった。2回以降は8回1死まで5安打無失点の好投。「先発として長い回数を投げられて良かったです」と胸を張った。

 憧れの先輩を追いかけて同校に進学した。3学年上の阪神・森木と同じ高知・土佐市出身。森木の存在は少年時代から知っていた。「小学生から、ずぬけていて、僕もあのような投手になりたいと思って、高知を選びました」。恵まれた体格を誇る森木のように、自身もウエートトレに取り組んでオフに3キロ増量。並行して森木の勝負球の一つであるカットボールも習得した。2―1の4回2死三塁ではそのカットボールで空振り三振を奪い、流れを渡さなかった。

 同校は2年連続の初戦突破で、春通算20勝目。「打者でも勝利に貢献できて良かったです」。森木が高校3年間、一度も立てなかった聖地で大仕事をやってのけた。(河合 洋介)

 ◯…高知が2年連続で初戦を突破して春通算20勝とし、広島商(広島)、徳島商(徳島)、松山商(愛媛)に並ぶ歴代23位タイに浮上した。春夏通算では36勝とし、浦和学院(埼玉)、星稜(石川)を抜いて歴代単独34位に浮上。高知県勢の春夏通算190勝にも到達した。

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2023年3月19日のニュース