山梨学院“魔曲”「BIG WAVE」に乗って東北・ハッブス攻略!19年春以来1勝

[ 2023年3月19日 05:20 ]

第95回選抜高校野球大会第1日・1回戦   山梨学院3―1東北 ( 2023年3月18日    甲子園 )

<山梨学院・東北>初戦に勝利し、校歌をうたう林(左から2人目)ら山梨学院ナイン(撮影・須田 麻祐子)
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 36校による14日間(準々決勝、準決勝翌日の休養日含む)の熱戦が開幕。1回戦3試合が行われ、山梨学院が3―1で東北(宮城)を下した。コロナ下の制限が緩和され、マスクなしの声出し応援が4年ぶりに解禁。聖地に響いた同校の“魔曲”「BIG WAVE」に乗った打線が、東北のプロ注目右腕・ハッブス大起(3年)を攻略した。高知、沖縄尚学がともに勝利し、2回戦進出を決めた。

 雨が上がった甲子園は、柔らかい春の風と陽光に包まれていた。銀傘に響く4年ぶりの校歌の大合唱。山梨学院ナインの声に、三塁側アルプスの応援団の声が重なる。声出し応援が復活した開幕戦で、聖地に本来の姿が戻ってきた。

 注目右腕・東北のハッブスを打線が攻略。アルプスで響く同校の“魔曲”といわれるチャンステーマ「BIG WAVE」が後押しした。5回2死二塁から、5番・進藤天(3年)が左前適時打。続く佐仲大輝(3年)も右中間二塁打し2点を先制して注目右腕をKOした。「俺は打てるという気持ちが湧いてくる曲」と進藤が言えば、佐仲も「気分的に乗っていけた」と応援の力に感謝。清峰(長崎)時代の09年に日本一を果たした吉田洸二監督は「この一戦に全てを懸けていました」と白星をかみしめた。

 「BIG WAVE」の生みの親は、記録員としてベンチ入りした中沢日瑚(にこ)マネジャー(3年)の父で、同校野球部OBのシンガー・ソングライター伸太郎(48)。山梨学院3年時、作家で作詞家の阿久悠氏の前で歌を披露したことがきっかけで歌手の道に進んだ。約10年前に吉田監督から「点が取れる曲を」と要望され“魔曲”が完成。この日、甲子園で流された校歌の歌唱も担当した。三塁側内野席で見守り「もう最高です。これ以上のことはないです」と声を震わせた。

 春夏通じて全て1点差で4連敗していた甲子園で、19年春以来4年ぶりの勝利。2回戦に勝てば、春夏合わせて初の甲子園2勝となる。「今まで潜ってましたのでやっと水面に上がってきました。勢いの波に乗ることができる」と指揮官。声援という「BIG WAVE」に乗り、快進撃を目指す。(柳内 遼平)

 ≪梨勢の開幕戦は3戦全勝≫山梨学院が春夏通じて初めての開幕戦で勝利。山梨勢の選抜開幕戦勝利は、97年に日大明誠が4―1で豊浦(山口)に勝って以来26年ぶり2度目となった。夏の甲子園では35年に甲府中(現甲府一)が10―1で青島中(満州)に勝っており、山梨勢の開幕戦は春夏通じて3戦全勝。また、宮城勢は選抜開幕戦では3連敗となった。

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2023年3月19日のニュース