高知の三塁コーチ森平君 大きな身ぶり手ぶりで的確指示 次は聖地走る姿を父に届ける

[ 2023年3月19日 05:30 ]

第95回選抜高校野球大会第1日・1回戦   高知4―1北陸 ( 2023年3月18日    甲子園 )

<高知・北陸>三塁コーチを務めた高知・森平(撮影・須田 麻祐子)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】高知の三塁ランナーコーチ・森平心君(3年)は、「全力で楽しむ」という父との約束を果たしました。

 父・透さんは森平君の生誕記念に黄色のグラブを用意してくれたほどの野球好き。「気づいた頃にはボールで遊んでいた」と振り返るように、親子の時間にあったのは、いつも野球でした。昨秋、新人戦のメンバーを決めるための大事な練習試合で失策し「守備がわからなくなってしまった」。そこで一番の相談相手である透さんに連絡すると、翌日、地元の滋賀県から片道5時間をかけて、駆け付けてくれました。そして、朝10時から夕方まで、マメができた手で幼少期と同じようにノックを打ち続けてくれました。その日を境に復調し、見事メンバー入り。甲子園でも背番号14をつかみました。

 そんな森平君の夢は野球人口を増やすことです。「減少している野球人口が増えるように、指導者になって野球に恩返ししたい」。父と自身を固く結んでくれた野球に感謝の気持ちでいっぱいです。

 北陸(福井)との初戦では、聖地に戻ってきた大歓声の中、大きな身ぶり手ぶりを交えて、仲間に的確な指示を送りました。次の履正社(大阪)戦では、持ち味の足を生かした代走として聖地を駆け回る姿も、お父さんに届けるつもりです。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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