阪神・岩崎 譲れない10年目初タイトル「獲るに越したことはない」中継ぎ王へ50試合登板ノルマ

[ 2023年1月19日 05:15 ]

静岡で自主トレを公開し、キャッチボールで汗を流す岩崎(撮影・椎名航)
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 阪神の岩崎優投手(31)が18日、故郷の静岡県静岡市の草薙総合運動場で後輩の及川らと行っている合同自主トレを公開した。今季はセットアッパーを任されることが濃厚な左腕は、10年目にして初の個人タイトル奪取に意欲。7年連続の40試合以上登板もノルマに掲げ、フル回転を宣言した。

 寡黙な男が一瞬だけのぞかせた“欲”に、決意が見て取れる。今季、節目のプロ10年目を迎えるリリーフエースが、いまだ手にしていないのが個人タイトル。意欲を問われると静かにうなずいた。

 「獲るに越したことはないですね」

 当然、目指すのはチームの“アレ”にほかならない。ただ「そうじゃないでしょうか」とうなずいたように、他者を圧倒する個人成績を残すことが、チームへの貢献を如実に表す証となる。今季はセットアッパーを託される可能性が高い左腕。21年に44ホールドポイントでヤクルト・清水に次ぐ2位に終わり、手が届かなかった「最優秀中継ぎ投手」に照準を定めた。

 同タイトルは、今季は岩崎がバトンを託す側になる予定の新守護神・湯浅が昨季獲得。「凄かったですね。負けてられません。どんどん自分で結果を示していかないと。負けじとやっていきたい」。躍進した後輩の存在も刺激に、腕を振る。

 初めて自身が主体となって後輩たちと行う静岡での合同自主トレは「順調に来ている」と充実。この日もブルペンで捕手を座らせ41球を投じ、及川、川原から熱視線を浴びた。例年よりやや速いペースで肩をつくっているのは“模範”となる意味もある。「(投げることで)自分の感覚を見てもらいたかった」。自身の調整と並行して後輩の助言や指導に充てる日々は、主力としての自覚も強くする。

 リリーフの魅力を「毎試合ゲームに関われる。勝っても負けてもみんなと共有できる」と語る背番号13は昨年まで6年連続40試合以上登板。言うまでもなく7年連続を見据え、「1年離脱なくやれたら50試合はいく」とノルマも設定した。

 「一年一年は大した数字じゃないかもしれないですけど、継続していくのが自分がやってきたこと。これからも大事にしていく」。託されたバトンを地道につないだ先にチーム、そして自身初の“冠”が待っている。(遠藤 礼)

 《藤浪に“らしさ”全開エール》岩崎がアスレチックスでの入団会見を終えた藤浪に“らしさ”全開のエールを送った。自身のことを富士山のように「フジ」と呼んでほしいなど、英語での長文スピーチを記事で見たという左腕は「かっこつけてんなって感じです」とニヤリ。以前、藤浪は「岩崎さんのシュールな毒が好き」と口にしていたが、そのままの言葉が自身に送られた。それでも、公私で仲の良い後輩へ「投げているだけで(自分は)楽しいし抑えてくれたらもっと。本当にみんな応援してると思うんで。メジャーリーグの舞台で投げて結果も出たら最高」と最後は大きな期待を寄せた。

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2023年1月19日のニュース