西武が首位ソフトバンクにタッチ0差!今井たっちゃん復活1勝 ロッテ角中かっちゃん斬り

[ 2022年7月15日 05:20 ]

パ・リーグ   西武2ー1ロッテ ( 2022年7月14日    ベルーナD )

<西・ロ>3回のピンチを無失点で切り抜け、笑顔を見せる今井(撮影・尾崎 有希)
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 西武・今井達也投手(24)が14日、ロッテ戦で6回をソロ本塁打のみの1失点に抑え今季初勝利。チームは連勝で2位ながら首位・ソフトバンクとついにゲーム差なしとなった。開幕直前の右内転筋の張りなど故障続きで離脱していた右腕が、復帰2戦目で待望の白星。コロナ禍に襲われるチームの夏の危機を、夏の甲子園優勝投手が救った。

 「タッチ」の夏が始まった。今井が作新学院時代、夏の甲子園で頂点に立った6年前のフォームを思い出した。投げ終わりで飛ぶように跳ねる、あの感覚だ。

 「元々、高校の時は後ろ足が引けるぐらい(飛ぶ感じ)だった。意図的ではないが、調子が良いと勝手になる」。2―1の6回2死二、三塁が顕著だった。角中への150キロ直球、跳ねて着地したと同時に見逃し三振。6回1失点で、今季初勝利を挙げた。

 野球漫画「タッチ」の主人公・上杉達也と同じ「達也」の甲子園優勝右腕。19年に球団の企画で2人を重ねたイラストも作成された。球団は甲子園のスターを獲得したいという方針で、16年ドラフト1位で一本釣り。渡辺久信GM(当時SD)は作新学院のユニホームと同じクリーム色のパンツをはいて同会議に臨んでいた。

 疲労のたまる夏場。コロナ禍に揺れるチームに新鮮な風を吹き込んだ。開幕直前に右内転筋の張りで離脱。2軍戦で左足首を捻挫した。走り込みのかわりにトレーニングで肉体改造に着手。約3カ月半で体重を5キロ増の82キロとし「体がぶれなくなった。リリースが安定した」と球威と精度が増した。ジーパンがはけなくなるからと、下半身が太くなることに抵抗があった若者は、パツパツになったユニホーム姿で復帰。高校時代の丸刈りとはかけ離れた金色の長髪をなびかせ、マウンドで躍動した。

 岸が楽天移籍までつけた背番号「11」。身長が1メートル80と同じで、肩や肘の使い方が柔らかい同タイプであることから託された。そこに強い体幹をプラス。辻監督も「夏場、8月に中心になって引っ張ってもらいたい」と期待する。

 首位ソフトバンクに0ゲーム差と、まさに「タッチの差」。待望の今季初白星を手に今井は言った。「ケガの期間中に1軍で投げられない悔しさで、昨年より勝利に貪欲になった。優勝を目指す」。勝負の夏が始まる。(神田 佑)

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2022年7月15日のニュース