天理大・友杉 三拍子そろう“右投げ右打ち” 一塁到達タイムは右打者では圧巻の3秒73

[ 2022年6月8日 18:00 ]

天理大・友杉篤輝内野手(撮影・長嶋 久樹)
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 全国的に無名でも、秘める可能性は無限大。津々浦々に存在する逸材をYouTube「スポニチ ドラフトチャンネル」で紹介する「スポニチFocus」。第4回は天理大の友杉篤輝内野手です。 天理大・友杉の動画はこちら

 オープンスタンスから、最短距離でバットを振り抜く。鋭い打球は方向を選ばず、外野の間を抜けていく。広角に強い当たりを飛ばす典型的な中距離ヒッター。抜群のミート力は、しかし友杉の魅力の一端しか伝えていない。

 「自分にとっては、走攻守揃っているのが一番いい選手。どれがではなく、3つで勝負したい」。

 豪語するだけのポテンシャルは、数字が証明している。3連覇に導いた阪神大学野球春季リーグ。主に3番打者として、打率・444、7打点を稼いだ。特筆すべきは10個決めた盗塁。失敗はゼロで、ポイントゲッター、チャンスメーカーとして、誰も異論のないリーグ最優秀選手に選ばれた。

 尽きない向上心も、一流の証だ。走塁では、盗塁成功率を上げるために、今春からリードを1歩から1歩半広げた。セーフティの一塁到達タイムで、右打者では圧巻の3秒73を計時したスピードの持ち主。スタートが改善されれば、鬼に金棒だった。藤原忠理監督が「とにかく守備範囲が広い」と評する遊撃の守りは、今宮健太(ソフトバンク)のYouTube動画がバイブル。球際の強さを意識し、スローイングの安定感も加わった。

 そして大学野球で有終の美を飾るため、ラストイヤーは打撃のパワーアップを主眼に置く。全体練習の後は、ウェートトレーニングの部屋にこもって、スクワット、デッドリフトで弱点強化。その先に夢を見据えるからこそ、流す汗に意味がともなう。

 「プロに行きたい気持ちは強い」

 三拍子揃った内野手といえば、右投げ左打ちがプロ野球界の「主流」。右投げ右打ちで、左打者を超えるスピードを兼ね備えた友杉の存在は、秋の声とともにクローズアップされるはずだ。

 ◇友杉 篤輝(ともすぎ・あつき) 2000年(平12)11月7日、大阪市生まれの21歳。南港桜小1年の時に「住之江ボーイズ」で野球を始め、チーム消滅のため2年から「高石ボーイズ」でプレー。南港北中では、「和泉ボーイズ」に所属した。立正大淞南高に進み、1年秋から背番号「6」をつけ正遊撃手。甲子園出場はかなわなかった。天理大に進学して、1年春から出場機会を得て、2年秋のリーグ戦からショートのレギュラー。3年春の全日本大学選手権では、打率8割(10打数8安打)をマークした。1メートル71、70キロ、右投げ右打ち。

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