ドジャースとマイナー契約の松田康甫 米国での充実した日々 最高峰への第一歩「上がっていくだけ」

[ 2022年4月19日 09:00 ]

今月6日に米国へ出発した松田(本人提供)
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 アメリカンドリームへの挑戦が始まった23歳の声は弾んでいた。昨季までルートインBCリーグの茨城に所属し、ドジャースとマイナー契約を結んだ松田康甫(こうすけ)投手(23)。6日に日本を出発し、米国での生活がスタートした右腕は「毎日がめちゃくちゃ楽しいです」と充実感をにじませた。

 現在はアリゾナ州に滞在し、ドジャース傘下のルーキーリーグの練習に参加している。7時45分にホテルのバスが出発し、グラウンドへ。朝食も施設で取れるため、栄養面での心配はないなど、環境面も整っており「施設もいい」と目を輝かせた。昨年7月に「じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)」を受けた右肘は、キャッチボールができるまでに回復していたが、球団の方針でノースロー調整中で近々、再開するという。独自のプログラムを組んでもらい、完全復帰に向けトレーニングを行っている。

 言葉の壁や文化の違いにもストレスはない。メジャーリーガーではないため、通訳はついていない。トレーナーやコーチに日本人もいるというが、ほとんどのコミュニケーションを自分で取る。「英語は話せないです」と苦笑い。それでも「みんなハイタッチとかでコミュニケーションを取ってくれる」。日本では若手が積極的に道具の片付けなどに動くが、米国ではそれはスタッフの仕事。「ボール拾いをしていたら、それはこっち(スタッフ)の仕事。それでケガしたらどうすると言われた」と松田。最初は戸惑ったが「いろいろな意味で気を使わなくていい。自分に集中できる。やりやすい」と言う。

 拓大時代もケガの影響で公式戦登板は1試合のみ。BC茨城でも3試合しか投げていない。今も、リハビリ中と決してエリート街道ではなかった。だが、その期間も「体の細かい部分の使い方まで意識するようになった」とプラスに変えた。身長1メートル93で最速155キロとポテンシャルを秘める。「下からスタートなので上がっていくだけ」。最高峰への第一歩。楽しみしかない。(記者コラム・小野寺 大)

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2022年4月19日のニュース