京大正捕手・愛沢 “二刀流”秘策で先発4回2安打無失点!40年ぶり関大から勝ち点ゲット

[ 2022年4月5日 05:30 ]

関西学生野球第1節   京大4ー2関大 ( 2022年4月4日    わかさスタジアム京都 )

<関大・京大>先発する京大・愛沢(撮影・亀井 直樹)
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 3回戦1試合が行われ、京大が関大を破って2勝1敗とし、春秋通じ2002年秋以来20年(38季)ぶり(中止の20年春を除く)となる開幕節での勝ち点を手にした。春の開幕節での勝ち点獲得は82年の新リーグ発足以降初で、関大からの勝ち点も82年秋以来40年(78季)ぶり2度目。今季から指揮を執る近田怜王監督にとっても初の勝ち点で、新たな歴史を刻んだ。

 “春の珍事”とは言わせない。京大が歴史的な勝ち点を獲得した。正捕手・愛沢祐亮がリーグ戦初登板初先発で4回2安打無失点と快投。降板後は本職の捕手に回り“二刀流”を披露し、打っては先制と決勝のホームを踏むなど4打数3安打1打点。試合後のベンチは優勝したかのようなお祭り騒ぎとなった。

 「昨日の試合後(先発を)言われて、“きたか”と。楽しかったし、うれしかった。気持ちで投げました」

 秘策は、決して奇策ではなかった。愛沢は高校時代、アンダースロー右腕として栃木県選抜入りした実績がある。18年夏の2回戦では青藍泰斗の益子京右(現DeNA)を4打数無安打に封じた実績もあり、投手には「心残りがなかったわけじゃなかった」。その「投手・愛沢」を、投手陣を統括し、学生コーチとしてベンチ入りしている主務兼アナライザーの三原大知(4年=灘)が近田怜王監督に起用を進言。3試合に登板した今春オープン戦の情報も漏らさない徹底ぶりで、2年前から温めてきた計画を採用してくれた指揮官に「理想の上司です」と、こうべを垂れた。

 前回、関大から勝ち点を獲得した82年秋、監督を務めた日本高野連会長・宝馨氏も観戦。「会心のゲームでした」と目を細めた。機動力も光り、関大との3戦では計10盗塁。近田監督は「データを用い、根拠を持って説明してくれることが、京大生らしい強み」とうなずいた。目標はあくまでもリーグ優勝。この勢いで、5月末まで突っ走る。(北野 将市)

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2022年4月5日のニュース