大谷 開幕投手討ち3号!打球速度178キロの会心弾で5戦連続安打、人気映画挿入歌を背に

[ 2022年4月5日 02:30 ]

オープン戦   エンゼルス5-1ドジャース ( 2022年4月3日    アナハイム )

<エンゼルス・ドジャース>5回、ソロを放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が3日(日本時間4日)、ドジャース戦に「1番・DH」で出場し、5回に右翼席にオープン戦3号ソロ。自身と同様に今季の開幕投手を務めるウォーカー・ビューラー投手(27)を攻略した一撃は打球速度約178キロを記録した。今季の登場曲は人気映画「グレイテスト・ショーマン」の挿入歌を選択。今季も同映画の邦題である「地上最大のショー」でファンを魅了する。

 場内に荘厳な音楽が鳴り響く。誰もが予感する。これから特別なショーが始まる、と。主役が打席へ。4万4401人の観衆は大歓声で呼応した。大谷の5回1死の第3打席。好投手ビューラーから放った打球は角度23度の低い弾道のまま、右翼席に着弾。スタンドは声にならない叫び声に包まれた。

 5試合連続安打となるオープン戦3号。ダイヤモンドを一周した大谷は珍しくベンチ前で両手でアニメのエネルギー弾をつくるようなパフォーマンスも披露した。ジョー・マドン監督も「かっ飛ばしたね」と上機嫌。敵将のデーブ・ロバーツ監督は「彼との対戦は少なければ少ないほどいい」と笑い「特別な才能。いつも見ていて楽しいね」と賛辞を惜しまなかった。

 昨季に9勝&46本塁打でア・リーグMVPに輝き、全米の期待を背負うメジャー5年目。開幕前の唯一の本拠地でのオープン戦で今季の登場曲が披露された。人気ミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の挿入歌「ザ・グレイテスト・ショー」。貧しかった主人公が成功と失敗を繰り返しながら仲間とともにサーカスで成功を収める姿が描かれる作品だ。自身も二刀流で周囲の批判や手術など数々の苦難を乗り越えてきた。「ショータイム」なら誰にも負けない自負がある。

 強い決意を胸にメジャー屈指の右腕を攻略した。自身と同じ今季開幕投手で、同じ27歳のビューラーに1打席目は95マイル(約153キロ)直球で空振り三振、2打席目はカットボールにバットを折られた一ゴロ。3打席目はチェンジアップをこらえ、自分のポイントで捉えた。打球速度110.9マイル(約178キロ)の会心の一発。キャンプ中に「この時期に(状態が)いいことはない」と話していたが、昨季16勝でリーグ3位の防御率2.47の右腕からの一発は着実に状態が上向いている証拠だ。試合前は「1番・投手」で出場する4月7日(日本時間8日)の開幕アストロズ戦に向け、ブルペンで27球も投じた。

 この日、大谷は対応がなく選曲の理由は語らなかったが、登場曲の歌詞にあるは二刀流として歩んできた道のりと重なる。努力を重ねて世界的なスターとなった男の「地上最大のショー」。予告編となるオープン戦はまもなくエンディング。最新作の開演準備は整った。(柳原 直之)

 ▽グレイテスト・ショーマン 17年の米国映画で日本では18年2月公開。マイケル・グレイシー監督で、ヒュー・ジャックマンが主人公の興行師P・T・バーナムを演じ、19世紀にサーカスを創設したバーナムの成功を描くミュージカル映画。サウンドトラックは国際的にヒットし、日本でも公開に合わせてオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得。収録曲の「ディス・イズ・ミー」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞。

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