中畑清氏 新庄ビッグボスの考え浸透している日本ハム 今後も楽しみ

[ 2022年3月8日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】決して話題性だけじゃない。新庄ビッグボス率いる日本ハム。オープン戦6試合を消化し、4勝1敗1分けでDeNAと並ぶ首位に立っている。

 一戦一戦それなりの内容があるんだよね。チーム打率.171は12球団最低なのに、チーム防御率1.33が真逆の12球団最高。2日のヤクルト戦が典型だ。たった1安打で1―0の勝利。しっかり守ってワンチャンスを生かした。

 野球は点を与えなきゃ負けないスポーツ。いかにしっかり守るか。キャンプ中から実践してたよね。外野手がフライを捕ったら走者がいなくてもカットマンに素早く返球。「オレの野球はこうなんだ」。新庄監督が送り続けたメッセージがチーム全体に緊張感と集中力を生んでいるんだ。内野陣も併殺が取れるところはしっかり取っている。

 打つ方で目立つのは積極性だ。1番から4番まで新人を並べた5日の巨人戦では初回、有薗、水野が菅野に臆することなく連打。水野は8回1死二、三塁で初球、意表を突くヒットエンドランのサインに見事、三塁強襲の適時打で応えた。

 ガラガラポンで打順を決めた6日の巨人戦では初回、1番に入った郡と2番の万波が2者連続初球を二塁打。わずか2球で先制点を奪った。失敗を恐れない積極性。ビッグボスの考え方が浸透しているんだと思うね。

 昨季途中に中田(現巨人)、オフには西川(現楽天)と大田(現DeNA)を放出。フロントは若手中心のチームにし、新監督が手腕を発揮しやすい環境を整えたのかもしれない。

 開幕オーダーはどうなるのか。まだ見えてこない。ただ「支配下選手は全員1軍で使う」という言葉。最初は「どうかな?」と思ったけど、本当にやっちゃうかもしれないね。

 ますます楽しみになってきた今季の日本ハム。あいつは見届けられず、さぞ無念だろうな。2日に「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」で亡くなったスカウトの今成泰章だ。いつも明るかった駒大の2年後輩。6日のお通夜には1000人もの人がお別れにやってきた。改めて凄いやつだと思った。目利きの後輩が集めた選手がビッグボスの下でどんな成長を見せるか。しっかりチェックして報告したい。(本紙評論家・中畑 清)

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2022年3月8日のニュース