エンゼルス・大谷 MLB労使交渉難航で思わぬ余波!FA取得遅れで460億円契約消える!?

[ 2022年2月25日 05:30 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 労使が決裂している大リーグで23日(日本時間24日)、機構(MLB)と選手会がフロリダ州ジュピターで3日連続の交渉を行ったが、進展はなかった。MLBは28日(同3月1日)までに合意できなければ、3月31日(同4月1日)の開幕を遅らせて、レギュラーシーズンを短縮する方針を表明。シーズンが15日以上短縮された場合、エンゼルス・大谷翔平投手(27)のフリーエージェント(FA)権取得が1年遅れ、24年オフにずれ込むことになる。

 ロックアウトによる労使活動の停止で、メジャー挑戦を目指す広島・鈴木誠らの交渉が凍結されているが、余波が思わぬ形で大谷にも及びかねなくなった。MLBはこの日、28日を通常開幕への「デッドライン」と強調。そこまでに新労使協定が締結できなければ、レギュラーシーズン162試合を短縮する方針を通達した。

 AP通信はシーズン短縮の場合、大谷のFA権取得が1年遅れ、24年オフになる可能性を指摘した。大リーグは出場選手枠に172日登録されると1年とカウントされ、計6年でFA権取得となる。4年に達している大谷は順当なら23年オフに29歳でFAとなれる。今季のレギュラーシーズンは開幕の3月31日から、10月2日までの186日。日程が15日以上短縮されると、登録日数は171日以下になり、FA権取得が24年オフへずれ込むことになる。

 21年に年俸調停を回避して2年契約を結んだ大谷の今季年俸は550万ドル(約6億3300万円)。ワシントン・ポスト紙は投打二刀流で活躍し、昨季ア・リーグMVPに輝いた大谷は、年俸5800万ドル(約66億7000万円)に相当すると算出する。FA市場に出れば破格の複数年契約が予想されるが、1年遅れた場合は30歳で市場に出ることになり、年齢的に長期契約が結びにくくなる。多くの米メディアは「23年オフには総額4億ドル(約460億円)以上の大型契約が待っている」と予想していたが、契約総額がしぼむことは確実で、1年遅れの損失は計り知れない。

 選手会は「デッドライン」を認めず、開幕が遅れた場合にはダブルヘッダーで162試合を消化するように求めたが、MLBは拒否した。MLBの担当者は「期限は期限。失われた試合は、失われた試合だ。その試合への給与は支払われない」と話した。シーズンが1日遅れるごとに、選手たちは約2050万ドル(約23億5800万円)を失うという。選手会はそうなれば、MLBが望むポストシーズン拡大には協力しない姿勢を示した。拡大できなければ、MLBの損失も約1億ドル(約115億円)にのぼるとみられる。

 この日はMLBが最低年俸の提示額をわずかに引き上げたが、選手会の要求額とは隔たりがまだ大きく、年俸総額などの主要争点は話し合われなかった。24日(日本時間25日)も交渉は行われるが、双方が相手の収入減をちらつかせ、泥仕合の様相を呈してきた。

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