松田VSリチャード 安田VS池田 そして西武の巨漢対決が熱い

[ 2022年2月25日 11:45 ]

笑顔で「どすこい」ポーズの渡部。左は山川
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 【君島圭介のスポーツと人間】長い間、ソフトバンクの三塁は松田宣浩の縄張りだった。今キャンプで、そこに2人の若者が足を踏み入れた。

 リチャード、井上から挑戦を受ける松田はプロ17年目。今年39歳となるシーズンだが、まだまだ血気盛んだ。

 「世代交代とか言われているけど、年を食った者はダメというわけではない」

 スポニチの単独インタビューで語った言葉をグラウンドで体現する。24日の練習試合・ロッテ戦(宮崎アイビー)。初回、ダブルスチールが決まって無死二、三塁の絶好機に、おそらく技能試験であれば「100点」をつけられるであろう右打ちの長打で先制の2点を叩き出した。

 今季は年俸3億円ダウンといわれ、1月の自主トレ中には新型コロナウイルスにも感染したが、この完成度。守備位置から投手への声かけ、ベンチでの盛り上げ役。どれをとっても挑戦者となる若い2人には高い壁であることは間違いない。

 ロッテの三塁争いも胸が躍る。こちらは高卒5年目の安田尚憲、新人の池田来翔(国士舘大)の一騎打ち。この2人、同学年で安田はオリックスJr、池田がロッテJrの一員として小学生の頃から顔を合わせているが「当時から(安田は)有名だった」いうプロの先輩を相手に、池田がどれだけのポテンシャルを発揮し続けるか、興味深い。ここまではわずかにリードしているように見える。

 もう1勝負。ここに加えるなら西武のあの2人だろう。102キロの中村剛也に112キロの渡部健人が挑む。プロ21年目で今年39歳の中村だが、長打はもちろん守備もうまいだけにその座を奪うのは容易ではない。それでも西武は右の大砲育成に定評がある。宮崎・南郷キャンプを偵察に来たライバル球団のスコアラーは「渡部のスイングが1年でがらりと変わった。ちょっと気になる」と警戒していた。

 一般論として三塁手に求められるのは長打力と強い肩、そしてキャプテンシーだ。強いチームには必ずいい三塁手がいる。このホットコーナーでの競争を勝ち抜いて定位置についた選手が安定して活躍すれば、この3球団のうちいずれかが混戦のパ・リーグを制する。個人的にはそう予想している。(専門委員) 

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2022年2月25日のニュース