阪神・梅野の正捕手としての覚悟 藤浪にカーブ要求した真意とは 一つでも多く勝ってほしい…

[ 2022年2月17日 05:30 ]

<阪神宜野座キャンプ> 登板を終えた藤浪(右)は梅野と話す(撮影・大森 寛明)
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 阪神の梅野隆太郎捕手(30)が宜野座キャンプ第4クール2日目の16日、本紙コラム「梅ちゃん隆儀」で今季に懸ける思いを激白した。今春は4スタンス理論を取り入れた新打撃フォームにも着手。復活を懸ける藤浪にカーブを要求した真意や、正捕手として若手投手をけん引していく9年目の覚悟も明かした。

 きょうでキャンプも半分以上が終わりました。2年ぶりの有観客で声をかけてもらえるだけで“ありがとう”“頑張ろう”と思えます。手を振るだけで子どもたちも笑顔になってお母さんのところに走って戻ったり…。そんな姿を見るととてもうれしくなります。

 今オフは打撃に重点を置いて打ち込んできました。沖縄では以前から興味があった4スタンス理論を取り入れています。あいさつをしてすぐに藤井康巡回コーチのところに行って助言をもらいました。自分はB2タイプ(踵、外側でバランスを取るタイプ)。その上でどういう動きをすれば出力が出るのか、構えた時のポジショニングを一つ、一つ意識しながら打球の質を確認しています。昨年よりはスタンスを狭め、足も上げていません。理にかなったスイングはもちろんですが、やってはいけないことも頭に置いています。スイングするスペースが窮屈になると左肩が上がって力を伝えられないので、いかに気持ち良く振れるスペースをつくるか。試合になれば動きも出ますし、内角、外角の攻められ方でも変わってきます。今はこれだけ時間と数を打てる期間。速いボール、遅いボール、ティー、ロングティーとさまざまな練習の中で予習、復習を繰り返している段階です。実戦の中で打球にどんな変化が出てくるか楽しみです。

 捕手としては若い投手が多い中で、自分から声をかけるようにしています。特に鈴木、桐敷の2人にはいろんな話をしています。捕手で一番試合に出ているのは自分ですし、良い経験はもちろん、つらいこと、苦しいことも味わっていますし、そういう意味では自分が伝えていかないといけない。これからシーズン中に“梅野さんが言っていたのはこういうことか”となるかもしれないですし、自分の役目だと思います。

 5日の紅白戦で先発した晋太郎(藤浪)にカーブのサインを出しました。ずっとカットボールで抑えてきて、カーブもいけるとなれば幅も広がりますし、守っている野手も“これ使えるやん”とみんな感じたと思います。トライすることがチームに良い波及効果を生むこともありますし、良い方向にいけばという気持ちでした。1年目から活躍して、これだけ勝てなくなると晋太郎は想像もしてなかっただろうし、それを見てきたのでもう一度輝いてほしい、一つでも多く勝ってほしい気持ちは強いです。それは、まだ1勝してない若い投手たちに対しても同じです。

 昨年はゲーム差なしで優勝を逃しましたが、2位は2位です。結果を受け止めないと前へ進めませんし、今は新たなシーズンでやってやろうと燃えています。チームスポーツなので仲間を助ける時もあれば、助けられる時もあるはずです。だからこそ、全員で喜びたい。自分はもう1年目じゃありません。若い選手の上に立って、厳しいことも受け止め、はね返しながらチームを引っ張っていきます。 (阪神タイガース捕手)

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