楽天担当の記者がイチオシの投打4人「ネクスト・ブレーク候補」は

[ 2022年2月17日 07:30 ]

楽天・渡辺佳
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 春季キャンプは折り返し地点を過ぎ、ここから開幕1軍入りを懸けたサバイバルが本格化する。担当する楽天の1軍キャンプ(沖縄県金武町)を取材していて目についた「ネクスト・ブレーク候補」を投打で2人ずつ紹介する。

 【投手】
 まずは育成3年目の小峯新陸だ。ロッテ・佐々木朗希やオリックス・宮城大弥と同学年のスケールの大きな本格派右腕。最大の魅力は1メートル89の長身から投げ込む最速152キロの速球で、スプリットとのコンビネーションで打者を打ち取る「王道」のスタイルがワクワク感を与えてくれる。

 チーム初の実戦となった12日の阪神との練習試合で1回無安打無失点と好投し、直球は自己最速タイの152キロを計測した。15日のロッテ戦も1回無安打無失点、1奪三振。ウイニングショットの精度さえ上がれば早い段階での支配下登録も見えてくる。

 4年目左腕・鈴木翔天のアピールも光る。昨季までの3年間で登板した7試合はいずれも中継ぎだったが、今季から先発に挑戦。15日のロッテ戦で3回無安打無失点、4奪三振の快投を披露し、開幕ローテション争いに名乗りを上げた。

 もともと直球の強さには定評があり、今キャンプでもブルペンで投げ込む球の質の高さには目を見張るものがある。先発、リリーフともに右投手が多いだけに、若いサウスポーの台頭はチームにとっても不可欠。仮に開幕ローテーションの枠から漏れたとしても、ロングリリーフ起用からブレークした昨季の西口直人のように1軍で地位を確立していくことも期待できる。

 【野手】
 4年目の渡辺佳明が、ユーティリティープレーヤーとしてワンランク上の選手になりそうな予感を漂わせている。明大では4年秋のリーグ戦で首位打者を獲得したように、打撃センスは非凡だ。オフの自主トレでは師と仰ぐ鈴木大地とともに課題の守備を徹底的に鍛えた。その成果もあり、捕球動作や送球の安定感は確実に向上している。

 12日の阪神戦から全3試合で安打を放ち、9打数4安打(打率・444)、1打点と状態の良さが際立っている。鈴木大、浅村、茂木、岡島ら主力組が1軍にいない今は千載一遇のアピールのチャンス。実戦で結果を出し続ければ、首脳陣の評価を一気に上げる可能性はある。

 育成3年目のマーキ(山崎真彰)も元気が良い。米ハワイ大から19年育成ドラフト3位で“逆輸入”された異色の経歴の持ち主が才能を開花させようとしている。20年8月に右肩のクリーニング手術を受け、2年目までほぼ満足にプレーすることができなかった。

 3年目で初めて1軍キャンプに抜てきされ、12日・阪神戦と13日・日本ハム戦はともに途中出場ながら安打を放った。バットコントロールの巧みさは十分に1軍でも通用するだけに、確実性を備えれば支配下登録への道が一気に開けてくるだろう。

 定位置獲得を狙う将来有望な若手のアピール次第では、あっと驚くような選手が「3・25」の開幕戦のスタメンに名を連ねていても不思議ではない。(記者コラム・重光晋太郎)

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2022年2月17日のニュース