広島・坂倉 2安打3打点大暴れ、打率・317でリーグ2位浮上 鈴木誠とタイトル争いでさらなる成長を

[ 2021年10月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7ー1巨人 ( 2021年10月9日    マツダ )

<広・巨>7回1死一、三塁、坂倉は2点タイムリー二塁打を放つ(撮影・森沢裕)
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 広島・坂倉将吾捕手(23)が9日の巨人戦で2安打3打点と躍動し4連勝に貢献した。自己最長に並ぶ12試合連続安打で打率・317まで再上昇させリーグ2位に浮上。9月上旬に打率トップに立ってから極度の不振に陥って一時は3割を切ったが、シーズン最終盤に来て右肩上がりに転じた。トップの鈴木誠を4厘差で追いかけるタイトル争いを展開しながら、さらなる成長を遂げる。

 底を見た男の逆襲ほど強いものはない。「本当に苦しかった…」。坂倉が思い起こすのは9月上旬の首位打者争い。9月7日に規定打席に到達して打率リーグトップに躍り出た途端に一転、26打席連続無安打を経験。初めてのタイトル争いに突如参戦したことで平常心を失った。

 「安打が出ない難しい時期だったけど、今となってはすごくいい経験。特にこれと言って大きく変えたところはないけど(復調には)気持ちの面も大きかったと思う」

 打率の上下には惑わされない。初回、1点を先制しなおも2死二塁では、戸郷のフォークをうまく拾って中前適時打。7回1死一、三塁ではフルカウントから高梨のスライダーを強振し右中間を破る2点二塁打を放った。連続試合安打も12まで伸ばし、打率・317でリーグ2位まで再浮上。それでも「打率1位とかではなく、まずは自分のやれることをやる。ランキングはもういいかな」と自らに言い聞かせるように話した。

 好不調で自身の打撃まで見失うことはない。1、2軍を行き来していた頃は、トップの位置を上下させるヒッチ動作を取り入れるなど積極的に微修正を繰り返してきた。一転、1軍に定着した昨季から打撃フォームを極端に変更することはなくなった。「(トップの位置が)ある程度この辺かな…というのが定まったというか、いい感覚の場所が見つかった。この感覚が狂うまでやり抜きたい」。9月の不振時には、鈴木誠から「いつか(安打が)出るから変えるな」と自身の打撃を貫くことの大切さも学んだ。自分の打撃を理解できているからこそ、迷わずに短期間での復調につなげられたのだ。

 「日によって体調も違うので、ある程度の微調整はあると思うけど、一打席一打席を無駄にせず、アウトでも無駄にならないようにやっていきたい」。トップの鈴木誠とは4厘差。尊敬する先輩とのタイトル争いが大切な財産になっていく。(河合 洋介)

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2021年10月10日のニュース