四国銀行・柴田主将が叶えた夢 脳腫瘍を克服し、名門を20度目の都市対抗に導く「勝てると信じていた」

[ 2021年10月10日 18:38 ]

第92回都市対抗野球四国2次予選代表決定戦   四国銀行3ー1JR四国 ( 2021年10月10日    レクザムボールパーク丸亀 )

2年連続の都市対抗野球出場を決めた四国銀行の柴田一路主将(左)
Photo By スポニチ

 四国銀行がJR四国との接戦を制し、2年連続20度目の都市対抗出場を決めた。

 「みんなが頑張ってくれたことに、感謝しています。今年はチームの力に自信があって、絶対に勝てると信じていました。本当にうれしいです」

 8番・右翼でフル出場を果たした柴田一路主将は声を弾ませた。0―0で迎えた3回。突破口を開いたのは、その柴田。先頭で打席に入ると四球で出塁した。その後、送りバントで2死二塁を築くと、真田一斗の右前打で先制のホームイン。なおも大北海斗、南武志の3、4番コンビにも連続タイムリーが生まれ、貴重な3点をもぎ取った。

 「みんながやりやすい雰囲気をつくることを心がけました。気持ちが切れそうな時には、そうならないような声かけをしたり。もう、自分が試合に出る、出ないは気にならない。出た時にはベストなプレー、ベストな選択をできることを心がけていますが、今はキャプテンとしてチームの勝利が何よりもうれしいです」

 主将に就任して3年目となる今季はチーム全体を俯瞰することを心がけた。試合に出るために最善の準備を施すことに変わりはないが、何よりも大切なのはチームの勝利。日本選手権の予選で敗れたJR四国を相手に手にした1勝は、格別と言えた。

 春日丘(大阪)、高知大を経て入社5年目の27歳。入社早々から上位打線を任され経験を積んできたが、19年末には脳腫瘍を患った。約9時間に及ぶ覚醒下腫瘍摘出手術を乗り越え、20年の8月から実戦復帰。4年ぶりに出場した昨年の都市対抗では9打数4安打の活躍を見せ、チームを創部以来初の8強進出に導いた。

 「目標は去年を上回るベスト4と言いたいところですが、守り勝つロースコアの展開に持ち込みたい」

 7月の日本選手権では、JR四国も8強入り。四国代表がみたび、旋風を巻き起こす。

続きを表示

2021年10月10日のニュース