阪神 球団史上初の「助っ人クリーンアップ」も 孤軍奮闘マルテだけ…復帰戦で存在感

[ 2021年9月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5ー8中日 ( 2021年8月31日    甲子園 )

<神・中(15)>5回、阪神・マルテは3点適時二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 阪神のジェフリー・マルテ内野手(30)が31日の中日戦で5回1死満塁から一時同点の二塁打を放つなど、48日ぶりの復帰戦で大きな存在感を示した。今季初めて三塁を守り、サンズ、ロハス・ジュニアと球団史上初の助っ人クリーンアップ結成。奮闘は実らず、今季初の4連敗に沈んだ。再奪首からは一歩後退でも、勝負の9月へ頼もしい男が帰ってきた。

 今季初の4連敗に沈んだ悔しい夜、マルテが健在を示した。五輪中断期間に一時帰国した影響もあって48日ぶりの復帰戦。2点を返した5回、なお1死満塁からの一打が光った。カウント2―2から高めスライダーを捉えて右中間を破り、走者一掃の二塁打。一時同点に追いつき、自ら帰還を祝った。

 「1軍の試合は久しぶりだったから、何とか早く打ちたいと思っていた。あの場面で打つことができて良かったよ」

 3回の一挙5失点を一挙5得点で盛り返した同点劇。矢野監督から“前半戦MVP”に挙げられた力を存分に見せつけた。藤嶋とは6月24日の対戦でも5回無死二、三塁から中前適時打。この時はカウント1―2へ追い込まれてから4球目の直球を快打した。今回は直球中心で追い込まれてから3球続いた変化球に対応。7回1死一塁では全力疾走で遊撃内野安打を奪い、7月3日の広島戦以来のマルチ安打で奮戦した。

 「しっかりと準備をすることができたと思うし、引き続き全力でプレーするために準備を怠らずにやっていきたい」

 今季初の三塁守備では5回1死一塁から福留の高く跳ねたゴロを難なく処理するなど落ち着いていた。大山と佐藤輝が先発を外れた中、前半戦の定位置だった打順3番に座り、5点劣勢を挽回する働き。同点打後の1死二塁からサンズ、ロハスが続いていれば、最高だった。助っ人中軸トリオでは孤軍奮闘。矢野監督にも「選球眼もいいし、勝負強いというところでは今日も、その力も見せてくれた」と評価された。

 「多くのファンの方に応援してもらっているから、100%のプレーを見せることを、みんなと約束するよ。前を向いてやるしかない。一丸となって目の前の試合を戦っていくよ」

 猛虎にとっても本拠地・甲子園球場では48日ぶりの公式戦。1軍で野球ができる喜びをかみしめ、マルテは前を向いた。前半戦は出塁率・400、得点圏打率・338で躍動。勝負の9月も、きっとやってくれる。(長谷川 凡記)

 〇…阪神の外国人野手3人の先発は7月12日DeNA戦の3番マルテ、5番サンズ、6番ロハス以来今季11度目。3、4、5番の中軸で起用は球団史上初めて。マルテは7月14日DeNA戦の代打出場以来、後半戦初出場。三塁守備は昨季10月21日の広島戦で先発で務めて以来通算15試合目。

 〇…阪神の4連敗は今季初で、昨季6月28日から7月2日にかけて4連敗して以来。勝率・567となった。試合前2位だったヤクルトは巨人に敗れ、勝率・566。阪神は負けても3位から2位浮上の珍現象となった。試合前の時点で「マイナス0・5ゲーム差」だった首位の巨人とは0・5ゲーム差。きょう1日は勝敗に関係なく、阪神に首位返り咲きの可能性はない。阪神、ヤクルトともに勝利なら勝率・571で並び、勝利数で上回る阪神(56勝)が2位、ヤクルト(48勝)が3位のまま。

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