広島・大瀬良 逆襲の4勝目「今日は理想に近い球やフォーム。今年一番と言ってもいい」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   広島9ー3阪神 ( 2021年8月13日    京セラD )

<神・広(11)>力投する広島先発の大瀬良(撮影・後藤 大輝)
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 広島・大瀬良大地投手(30)は、リーグ後半開幕戦となった13日の阪神戦を7回被安打5、1失点に抑えて4勝目を挙げた。前半戦は右ふくらはぎ痛で離脱するなど3勝止まり。“開幕投手”として逆襲の姿勢を示した。

 リーグ戦中断期間の成果が勝負所で見えた。5―1の6回2死三塁。大瀬良は、サンズに対して7球中5球で直球を選び、6球目の151キロは今季最速を計測した。そして、フルカウントからの7球目も直球。内角高めで空振り三振を奪い、この難局を切り抜けた。

 「2死三塁だったし、力勝負していきながら、引くところは引いて勝負できた。今日は理想に近い球やフォームだった。今年一番と言ってもいい。五輪期間中に取り組んだことがしっかりと出せた」

 4月中旬に右ふくらはぎ痛を発症し、1軍復帰まで約1カ月間かかった。復帰後も下半身の力強さは戻り切らず、前半戦は3勝のみ。そこで中断期間は、個別練習で徹底的に下半身を鍛えた。練習日は最後の一人になるまで球場に居残ることも珍しくなかった。そして迎えた後半戦初戦で、昨季の最速150キロを超えて、11勝した19年の152キロにまで迫る球威を取り戻した。

 その直球を中心に組み立てて、4回までは無安打投球。5回先頭の大山に許したソロが唯一の失点だった。「前半戦は下半身主導に投げようと思っても、上体に力が入ってしまっていた。直球が非常に手応えがあって、押していきながら勝負できた」。その姿に後半戦の開幕投手を託した佐々岡監督からも「直球中心で力強さがあった」と評価された。

 「毎年、僕は夏場になると(成績の)差が激しくなる。今年はいい水準でいけるように、チームに貢献できるようにしたい」。前半戦はチームも借金12を抱えて5位に低迷。大瀬良の逆襲への思いが、後半戦初戦の投球に詰まっていた。

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2021年8月14日のニュース