虎いきなり首位陥落危機 後半戦〝開幕投手〟西勇6回5失点大誤算 慎重さ裏目「大事な初戦で迷惑かけた」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー9広島 ( 2021年8月13日    京セラD )

<神・広(11)>初回に4点を失い、天を仰ぎながらベンチに戻る阪神・西勇(撮影・椎名 航)
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 阪神は広島と対戦し、3―9で大敗した。先発の西勇輝投手(30)は初回の4失点を含む6回5失点で降板。巨人が勝利したことでゲーム差は4月28日以来となる1ゲーム差となった。条件次第ではきょう14日にも首位陥落。16年ぶりのV奪回へ、早くも試練が訪れた。

 エース格の乱調が誤算だった。7月11日の巨人戦以来となる公式戦先発。矢野監督も期待して後半戦初戦を託したが、西勇が初回からいきなり4点を失った。

 「大事な初戦で迷惑をかけてしまいました」

 勝利への強い思いが空回りした。初回1死一塁。小園に外角高めに浮いたスライダーを痛打され、先制点を献上した。併殺崩れの間に2点目を失うと、松山には右中間への2点二塁打を浴びた。試合開始から22分間に及んだ打者一巡の猛攻。矢野監督が「2点ぐらいならね。流れとしては、まだ…。4点は、ちょっと重たかったかなと。そういうところでは、投げるほうも打つほうも、どっちも絡まなかった。流れ的に、こっちに来ることはなかったかなと思います」と振り返ったように、あまりに痛すぎた。

 「後半戦のスタートだっただけに立ち上がりを大事にいきすぎてしまい、大胆さに欠けてしまいました」

 西勇の言葉がすべてだった。前半戦は4勝に終わったとはいえ、チーム最多の15試合に先発。98回2/3を投げ、大黒柱としてフル回転していた。チームとして再スタートを切る大事な一戦を託された意味は、誰よりも理解している。その分、初回は投球が慎重になり、ボールが先行したところを狙われた。

 指揮官も「丁寧にいこうとしているんやけど、それが高くなって、追い込んだところで打たれる。後半のスタートということで、慎重にもなるし、なかなか大胆にいきにくいところ。そこは相手側は、(攻略)しやすくなったのかなと」と心情を思いやった。

 2回以降は3イニング連続の3者凡退で立ちなおったかに見えたが、5回先頭・野間に5点目となるソロ本塁打を浴びた。6回5失点で7敗目。自身4連敗となり、この夜も通算100勝に届かなかった。

 白星発進を狙ったチームも、痛恨の黒星スタート。巨人が勝利したことで、ついに1ゲーム差まで迫られた。きょう14日の一戦で阪神が敗れて、巨人が勝つか引き分ければ4月3日以来の2位転落となる。忍び寄る宿敵の足音。首位死守へ、必勝あるのみだ。
(山本 浩之)

 《4月28日以来の1差》阪神が敗戦。巨人が勝ったため、両チームのゲーム差は4月28日以来の1・0ゲームまで接近した。阪神は最短できょうにも4月3日以来となる2位転落のピンチ。条件は阪神が負け、巨人が勝ちか引き分け。巨人が引き分けた場合、首位巨人が貯金12、2位阪神が貯金13の「マイナス0・5ゲーム差」になる。

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