巨人・ビエイラ 出た!プロ野球最速166キロ「最高にうれしい」

[ 2021年8月14日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4ー2中日 ( 2021年8月13日    東京D )

<巨・中>9回を締めたビエイラ(撮影・島崎 忠彦)
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 地球の裏側ブラジルから来た剛腕が球史に名を刻んだ。巨人のビエイラが9回にプロ野球最速となる166キロを計測。「まさか、そこまで速いとは思わなかった。最高にうれしい」と試合後、球速を知って驚いた。

 4―2の9回1死無走者。フルカウントからA・マルティネスへの7球目だった。ファウルされた外角直球が166キロ。大リーグのマイナー時代に計測した自己最速の167キロに迫った。「粘られていたし、勝負のカウントだったので力を入れたのは事実」。これまでの最速は日本ハム時代の大谷(現エンゼルス)と広島・コルニエルの165キロだった。

 日本での成功を夢見てきた。不法居住者の建てた家屋が無秩序に密集するサンパウロ育ち。母子家庭で、工場掃除の仕事をする母の月収は約2万円だった。幼少期はサッカーに明け暮れた。ボールを買うお金はなく、ペットボトルや丸めた靴下を蹴って遊んでいた。

 身体能力の高さを見込んだ日系2世のコーチに誘われ、本格的に野球を始めたのが15歳。走り込み重視の日本式の練習だけでなく、礼儀作法も学びNPBを夢見た。入団は27歳だった昨季で「日本は愛があって素晴らしい印象」と喜んでいた。

 粗削りだった右腕は日本で制球を磨き、今季から守護神を務める。3者凡退で今季10セーブ目。セ・リーグの外国人投手では最長を更新している連続無失点を24試合に伸ばした。胸を叩きながらの雄叫びは代名詞になりつつある。(神田 佑)

 ≪大谷超えた≫ビエイラ(巨)が166キロを計測。日本では16年CSの大谷(日=現エンゼルス)と今季のコルニエル(広)がマークした165キロを更新する最高球速記録になった。また5月3日広島戦から24試合連続無失点。連続試合無失点のプロ野球記録は今季の平良(西)の39試合だが、巨人では12年高木京の29試合、12年西村健太朗の28試合に次ぎ、12年山口鉄也、13年西村の各24試合に並ぶ3位タイ。歴代外国人では11年ファルケンボーグ(ソ)の31試合連続無失点に次ぐ2位でセの最多記録となっている。

 ◇チアゴ・ビエイラ 1993年1月7日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身の28歳。カントリーキッズ高を経て10年9月にマリナーズとマイナー契約。17年8月14日のオリオールズ戦でメジャーデビューを果たした。18年からはホワイトソックスに所属。メジャー通算成績は23試合で2勝1敗1セーブ、防御率7・36。19年12月に巨人と契約。1メートル93、113キロ。右投げ右打ち。

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