ヤクルト・青木 スーパームーンの夜に輝く金字塔「3000本は目指したい」日米通算2500安打

[ 2021年5月27日 05:30 ]

交流戦   ヤクルト4-3日本ハム ( 2021年5月26日    神宮 )

<ヤ・日>初回2死、日米通算2500安打となる右前打を放ちボードを掲げる青木(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 ヤクルトの青木宣親外野手(39)が26日、日本ハム戦に「6番・左翼」で先発出場。初回に右前打を放ち日米通算2500安打(日1726、米774)を達成した。早大時代から慣れ親しんだ神宮で響かせた節目の快音。若手が台頭するチームは貯金4で3位につけているが、プロ18年目のベテランはまだまだレギュラーを譲るつもりはない。

 神宮のファンの前で、スーパームーンも輝く特別な夜に節目の記録に達した。積み重ねた努力が報われる日米通算2500安打。青木は「残り2本くらいから神宮で決めたいと思っていた。ホッとしています。子供にも習い事を休ませてしまっていたので」と笑った。

 初回。およそ30分前の円陣では声出し役で「今日は24年ぶりのスーパームーンの皆既月食。特別な日に勝って交流戦優勝しましょう!」と声を張り上げていた。残り3本となった先週末から観戦を続ける妻・佐知さんと2人の子供も見守る。内角直球をミートし右前に運んだ。イチロー、松井秀喜、松井稼頭央に次ぐ4人目の偉業。7回は全力疾走で二塁内野安打も記録した。

 生涯打率・323はNPB歴代最高。だがエリート街道を歩いてきたわけではない。高校時代は甲子園と無縁。早大入学はスポーツではなく、指定校推薦だった。ヤクルトにはドラフト4位で入団。メジャー移籍時は実力を見定める「公開練習」を課されたが「どれも大切な経験。いろんな壁があって乗り越えてきた」と胸を張る。

 39歳を迎えた今年も苦難が直面した。自主トレ中の1月と開幕直後の4月に新型コロナ感染者の濃厚接触者に特定され、2度の隔離生活を余儀なくされた。1月は宮崎での合同自主トレ中。村上ら「青木組」のグループラインに「環境のせいにせず、できることをやろう」と打ち込んだ。ホテルの部屋で行動が限られるため、メジャー経験も経て培った自重トレーニングの大切さも説くなどラインを利用して「青木塾」を開講。自身を慕う若い選手たちが台頭し、チームは3位につける。

 「若手の壁になるという気持ちはないが、まだチームに貢献できると思っている。3つある外野の一つを守っていく中で3000本は目指したい」と青木。これからも泥くさく、壁を乗り越えていく。(青森 正宣)

 《イチに次ぐスピード到達》青木(ヤ)が26日日本ハム戦の初回に右安打を放ち日米通算2500安打(日本1726、米国774)を達成した。初安打は04年10月6日阪神戦で安藤から。日本人の日米通算2500安打以上はイチローの4367本を筆頭に4人目になるが各選手の2500安打到達ペースを見ると(試合数は日米合計)

年 打者名   試合数
06 イチロー  1808
11 松井 秀喜 2332
14 松井稼頭央 2254
21 青木 宣親 2142  

と青木はイチローに次ぐ速さだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年5月27日のニュース