楽天・早川“感謝の6勝”単独トップ! 早大先輩・小島と投げ合い「凄く学ぶことがありました」

[ 2021年5月24日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天6―5ロッテ ( 2021年5月23日    ZOZOマリン )

<ロ・楽>今季6勝目を挙げガッツポーズする早川(撮影・沢田 明徳)
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 地元凱旋で、尊敬する先輩に投げ勝った。楽天・早川隆久投手(22)が23日、ロッテ戦で7回途中5失点も、リーグ単独トップの6勝目を挙げた。早大の2学年先輩の小島和哉投手(24)との投げ合いを制し、地元千葉でのプロ初登板で思い出に残る白星となった。

 最後は特大の一発を浴び5失点した。1点差に迫られ、7回途中で降板。それでも早川が手にした6勝目は、思い出に残る1勝になった。「小島さんの投球に凄く学ぶことがありましたね」。初対戦だった早大の先輩・小島への感謝が口をついた。

 早川の軸球カットボールは、小島から伝授されたもの。2年秋、引退を控えた小島から「楽だから、使いなよ」と教わった。今では横変化はカットボールに集約し、サジ加減で大きさを変化させる投球の武器になった。

 同じ左腕で4年時は主将。「チームワーク、チームとしての動き、野球に大事なことをいろいろ小島さんに教わった」。小島の大学野球引退時は、早大エースの看板を引き継ぐ重圧に、2日間も涙が止まらなかった。「どうしようと、不安が凄くて。押しつぶされていた」。その後も監督らを通じ、先にプロ入りした左腕から助言がたびたび届いた。エースで主将だった4年時は「言動で引っ張るより、行動で見せる方が早い」と言われ4年秋のリーグ優勝で、先輩の思いに応えた。

 直伝のカットボールを軸に、5回終了時では1―2と互いに譲らず。「小島さんのテンポ良い投球に、自分もテンポ良く。相乗効果ではないが、お互いが前半はしっかりテンポ良く投げられた」。リズムよく我慢を続け、6回5得点の逆転を呼んだ。

 ZOZOマリンは、木更津総合時代に汗と涙を何度も染みこませた思い出の地で、この日は両親や家族も観戦。「こういう結果で勝ちは勝ったが、内容はまだまだだなと。せっかく実家の近いところで投げさせてもらって」。地元で、先輩の前で、苦しみながらの勝ち名乗りは、数字以上の価値があった。(後藤 茂樹)

 ≪打線援護にも感謝≫ルーキーの早川(楽)がハーラー単独トップの6勝目。この日は自己ワーストタイの5失点も味方打線が6点を奪った。今季早川登板時の援護点は57回2/3を投げ30点(9イニング換算4.68)。同僚の田中将が38回で10点(同2.37)と援護不足に泣いているのと対照的だ。なお、2リーグ制後、新人の最多勝は13年小川(ヤ=16勝)まで9人が記録。パでは99年松坂(西=16勝)を最後にいないが早川はどうか。

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