慶大3季ぶりV 堀井哲也監督が導入した「秘策」でチーム一丸

[ 2021年5月24日 09:00 ]

15日の立大戦、ベンチで慶大・福井(右)と話をする堀井監督
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 今春の東京六大学野球リーグ戦は、3季ぶりに慶大が優勝を飾った。開幕戦で法大のドラフト候補右腕・三浦銀二(4年・福岡大大濠)の前に「ノーヒットワンラン」で敗れるスタートとなったが、翌日から7連勝。試合のなかった第7週に、吉報が届いた。

 19年12月に就任した堀井哲也監督は「学生の可能性を感じた。刺激的だし、毎日、そういう日々を送って無我夢中になってできた」と喜んだ。

 就任してからチームに取り入れたのが「気功」だった。JR東日本の監督時代だった2010年に「都市対抗で準優勝はできても日本一になれていなかった。何かが足りないと感じていた」と、始めたのがきっかけだった。チームは翌年に都市対抗優勝。「チームをまとめるための方法になったと思いますね」と回想する。

 慶大ナインは練習前に外野で輪になって気功をすることが習慣になった。リーグ戦中は、神宮球場の外野でも行った。4番の正木智也(4年・慶応)は「みんなで気功をやることでチームが一つになるような感じ」と効果を口にした。指揮官の狙い通りになった。

 堀井監督がミーティングで繰り返してきた言葉がある。

 「できない理由を探すな」

 言い訳ではなく、どうやったら改善できるかを、選手たちに考えさせた。昨年は春、秋ともに2位で終わった。悔しさを糧に、チームが変わっていった。

 5月29、30日の早慶戦を経て、全日本大学野球選手権が6月7日に開幕する。堀井監督は「東京六大学の代表として、恥ずかしくない試合をやっていきたい」と頂点を見据えた。(記者コラム・川島 毅洋)

 ◇堀井 哲也(ほりい・てつや)1962年(昭37)1月31日生まれ、静岡県出身の59歳。韮山から慶大を経て三菱自動車川崎でプレー。引退後はコーチ、マネジャーを務めた。三菱自動車岡崎、JR東日本で監督を歴任し、19年12月から慶大監督。

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