阪神・佐藤輝 「伝統の一戦」2000試合目で球団新人4番初の猛打賞 3二塁打&3打点の活躍

[ 2021年5月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-5巨人 ( 2021年5月15日    東京D )

<巨・神>3回、右中間に2点適時二塁打を放ち、雄たけびを上げる佐藤輝(投手・サンチェス)(撮影・光山 貴大)
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(22)が通算2000試合目となった巨人戦で新たな足跡を残した。2本の適時二塁打を含む二塁打3本を放ち3安打3打点と躍動。球団新人が「伝統の一戦」で4番を打ち打点を挙げるのは1939年富松信彦以来82年ぶりで、3安打は史上初だった。チームは逆転負けしたが、16日の2001試合目はさらなる打棒爆発で勝利に導く。

 敗戦の瞬間、次打者席にいた佐藤輝は少しだけうつむいた。プロ2度目、4番としては初の3安打でチームの全3打点をたたき出す獅子奮迅の働き。歴史的一戦で記録にも記憶にも残る躍動ぶりを見せたが、逆転負け。悔しさを押し殺し、前を向いた。

 「そこ(3安打)はプラスに捉えて。明日(16日)からやっていきたい」

 初回2死三塁、2ボール2ストライクからサンチェスの141キロフォークを左中間にはじき返す先制二塁打。節目の一戦の幕開けを告げると、1点を追う3回1死一、二塁では再び2ボール2ストライクから今度はサンチェスのカーブを右中間へ逆転の2点二塁打。盛り上がる三塁ベンチに向かって両手でガッツポーズを見せた。球団の新人4番が巨人戦で打点を挙げるのは82年ぶり。3打点は最多となった。

 「やっぱり4番という打順は走者がいる場面で回ってくることが多いと思う。しっかり走者を還すような仕事を継続していきたい」

 2点劣勢の8回1死では、中川から右翼線へ、この日3本目の二塁打を放つと、塁上で手を叩きチームを鼓舞。勝利に対する執念を態度で示した。

 三塁守備でも3回2死から岡本和の三塁右への痛烈な打球に反応しショートバウンドでキャッチ。即座の一塁送球でアウトにするなど攻守で観衆を沸かせ続けた。矢野監督も「印象に残るというところではプロとして大事な部分だと思うんで。もっともっと、みんなの期待を超えていくようなことをやっていってくれるんじゃないかなと思えてくる」と佐藤輝のスター性を暗に認めた。

 通算2000試合目の伝統の一戦には敗れたが、今日から次の節目に向けた新たな戦いの歴史が幕を開ける。虎党が期待するのは、いまだ放っていない巨人相手の本塁打。16日に打てば、セ・リーグ5球団、そしてセ・リーグ本拠6球場制覇にもなる。「1勝1敗で、明日(16日)は絶対勝って、勝ち越して帰ります」。2001試合目。佐藤輝は勝利を約束した。そのためには、もちろん、豪快な一発が必要となる。(阪井 日向)

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