エンゼルス・大谷 松井も越えられなかった「壁」超え 少年時代から意識した広角

[ 2021年5月16日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―4レッドソックス ( 2021年5月14日    ボストン )

<レッドソックス・エンゼルス>6回11号ソロを放つ大谷(AP)
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 メジャーで日本人最多のシーズン31本塁打の記録を持つ松井秀喜は「グリーンモンスター越え」の経験がない。フェンウェイ・パークを本拠地にするレッドソックスのライバル・ヤンキースに7年所属するなど、同球場では通算55試合、244打席に立った。中堅から右翼席には9本放っているが、逆方向はとてつもなく高い「壁」だった。

 なぜなら、打撃スタイルが引っ張り専門。松井本人も「元々がプルヒッタータイプ」と認めている。外角にストライクゾーンが広いメジャー移籍後は外角球を左方向に強く打ち返す打撃に取り組んだが、その課題を克服し切れなかった。

 大谷も松井と同じ左打者だが、広角に飛距離を出せる強みがある。三菱重工横浜で野手としてプレーした父・徹さんの教えを受け、少年時代から左中間にライナーで飛ばすことが原点スタイル。大谷はプロ入り後も「逆方向にしっかりと低い打球を打つのが自分の持ち味」と語っており、体に染みついている。この日も外角のスライダーを逆方向に打ち返した。この広角打法が、04年に松井が記録した日本人最多本塁打を17年ぶりに塗り替える可能性を高めている。

 ▽フェンウェイ・パーク 1912年開場のレッドソックスの本拠地。当時のジョン・テイラー・オーナーがボストンの中心街フェンウェイ地区に新球場を建設。土地の広さに限りがあったため、本塁から左翼までの距離が310フィート(約94.5メートル)と極端に狭い構造になり、本塁打増加を防ぐため、グリーンモンスターが設置された。

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