阪神“最速”貯金15 サンズ8回神話弾で決めた 久々虎党の前で興奮「ダイスキヤデ!」

[ 2021年5月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2021年5月13日    甲子園 )

<神・中(8)>8回2死、サンズは左越えに勝ち越しソロを放つ(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神は13日の中日戦に2―1で勝利し、50年の2リーグ制以降、球団史上最速で貯金15に到達した。同点の8回2死無走者からジェリー・サンズ外野手(33)が左中間へ決勝9号ソロ。本塁打を放てば8戦全勝の助っ人砲が、この日から甲子園に戻った虎党を歓喜に導いた。チームは3連勝と最高の形で、きょう14日から敵地で2位・巨人との3連戦に臨む。

 頼りのS砲が、18日ぶりに聖地へと駆けつけたファンに、歓喜の瞬間を贈った。1点を争う、息詰まる展開にケリをつけた一発。ヒーローは思う存分、勝利の余韻に浸った。

 「最高です。やっぱり甲子園で、タイガースファンのみなさんの前で打つホームランはさらに雰囲気をよくしてくれますから」

 同点の8回だ。15試合連続無失点中だった中日不動のセットアッパー・又吉の前にマルテ、佐藤輝が3球で2アウト。引き分けが頭をよぎる展開で、狙っていた。1ストライクからやや甘く入った147キロシュートをフルスイング。「もうとにかくボールを見て、フェンスを越えてくれ、越えてくれと思って走っていた」。大きな弧を描いた飛球は本人、そして虎党の願いにも後押しされ、左中間フェンスをギリギリでオーバーした。一塁ベースを過ぎたあたりで力強く右手拳を握りしめたサンズ。大盛り上がりのベンチのナインへ向け、今季9度目のハッピーハンズが、さく裂だ。矢野監督も「ホームラン打ってくれという願いでベンチも声出してくれましたし。いやあ、盛り上がったね」と目を細めた。

 チーム愛にあふれる男だ。試合前の打撃練習での、佐藤輝へのアドバイスはもはやおなじみの光景。ロハスが合流した8日のDeNA戦(横浜)からは常に試合前練習でのストレッチから新助っ人に寄り添い、アドバイスや談笑を欠かさない。「攻撃面での武器という意味では、いくらあってもいいと思う。お互い助け合って。ロハスは1年目だし、マルテはもちろん何年もいる選手ですけど、それに限らず、他の選手でも何か言われたら、もちろん助けられることであれば助けたい」。勝負強さだけでなく、チームの強力な一体感にも一役買っている。

 「いつもファンが甲子園に来てくれて最高の雰囲気なので、本当に気持ちよかったですし、その皆さんの前で打てたことが非常にうれしい。たくさんの人に来てもらえるようになったらなと思います」

 本塁打を打てば8戦全勝。“不敗神話”を継続させ、2リーグ制以降では球団史上最速となる37試合目の貯金15到達に導いた。ヒーローインタビューの締めでは「タイガースファンズ、ミナ、ダイスキヤデ!」と虎党に熱烈ラブコール。粋な男の笑顔がはじけた。(阪井 日向)

 ○…サンズ(神)が8回に決勝の9号ソロ。これまで又吉(中)には5打数無安打に抑えられていたが、6打席目の初安打が殊勲の一発となった。本塁打を放った試合は今季8戦8勝で、昨季から12連勝。打点を挙げた試合は4月1日広島戦から13連勝とチームに大きく貢献している。

 ○…阪神は貯金を今季最多の15に伸ばした。チーム最速の貯金15到達は1リーグ時代の1937年秋の19試合目(17勝2敗)だが、37試合目での到達は2008年の40試合目(27勝12敗1分け)を上回り、1950年の2リーグ制以降では最速となった。

続きを表示

2021年5月14日のニュース