阪神・近本、執念同点打! 7回2死走者なしから四球、盗塁でつくった好機に一撃

セ・リーグ   阪神2ー1中日 （ 2021年5月13日    甲子園 ）

＜神・中（8）＞7回2死二塁、近本は中前に同点適時打を放つ（投手・ロドリゲス）（撮影・大森　寛明）
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　既視感たっぷりの同点劇が起こった。1点劣勢で迎えた7回2死。2日前もこの状況から追いついた猛虎が再び執念を見せつけた。

　登場人物もピタリと重なった。前回も代打で登場した原口がこの日はフルカウントからしっかりと見極めて四球で出塁。待ってましたとばかりに代走で一塁へ飛び出しのは熊谷だ。近本の初球に果敢にスタート。タイミング的には微妙だったが、リーグトップの盗塁阻止率を誇る木下拓のショートバウンドの送球を京田が捕球できず、二盗を成功させた。

　「前回と一緒で2死から原口さんが出たので、自分はあの場面はやれることを、しっかりやろうと思った」

　11日の7回も2死から原口の代走で登場し、二盗を決めて糸原の適時打で生還した背番号4。今季5個目、成功率100％をキープした価値ある盗塁に力強くうなずいた。粘りで生み出した得点圏のチャンスをモノにしたのは、近本だった。

　2ボール2ストライクから縦に落ちるスライダーを捉えて中前に運ぶ会心の同点適時打。攻略に苦しんだロドリゲスから快音を響かせたリードオフマンは「良い投手なので、そう簡単に打てるボールはないので、どうにでもなれと思って」と熱っぽく振り返った。

　伏兵の渋い活躍に最後は役者が仕事を果たす。中1日で再現した“2死からの執念”を矢野監督も称賛した。

　「また（原口も）四球で出てくれて、タカヒロ（熊谷）も初球かな？勇気もいるし。そういうのもありながらのタイムリーだったんで。ウチらしい点の取り方ができたし、いけるっていう気持ちにさしてくれた」

　先制すれば圧倒的な強さを誇ってきた猛虎に「粘り」も出てきた。失速の気配は皆無だ。（遠藤　礼）