斎藤隆氏 大谷の二刀流に「絶頂期の26歳。今季できなかったら来季以降もできないだろう」

[ 2021年5月14日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー9アストロズ ( 2021年5月12日    ミニッツメイド・パーク )

斎藤隆氏
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 【斎藤隆氏の目】この試合の打撃内容を見ると、淡泊な打席も多く、本来の角度ある打球も出ていない。それは疲労が影響しているのかは、大谷本人しか分からない。私の経験で言えば、先発した翌日は起きるのも大変なくらい体に張りがある。日本は軽めに体を動かす程度でベンチに入らない、いわゆる「上がり」だが、メジャーは必ず有酸素運動とウエートトレーニングをハードに行う。それは中4日の短い登板間隔で、長いシーズンを戦い抜くためのベースになるからだ。

 大谷がどのような調整をしているかは分からないが、先発翌日のウエートもやって、さらに1番で出場するというのは普通は考えられない。ただ、右投げ左打ちなので、投げる動作と打つ動作は逆のひねりになる。本人の中で体のバランスを取る作業と考えているのかもしれない。

 この100年間、誰もやっていないことを大谷はやっている。ケガを心配するならば、首脳陣がどこかでブレーキをかけないといけない。私も正直、心配だが、一方で二刀流をやり遂げてもらいたいという思いもある。肉体的にも絶頂期の26歳。右肘手術から完全復活し、心身ともに充実している。もし今季、二刀流ができなかったら、来季以降もできないだろう。大谷はメジャーではフルシーズンの二刀流を一度もやったことがない。やり遂げないと1年間の体の消耗度も分からない。

 本人が「休む」と言うまでやらせてあげたい首脳陣の気持ちも分かる。もし、大谷が二刀流を1シーズンやり遂げた時、数字よりも達成感の方が大きいのではないか。(元パドレス球団アドバイザー、MLB解説者)

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2021年5月14日のニュース