赤星憲広氏 勝利に直結した二盗 熊谷の足は今や阪神に欠かせぬ武器

[ 2021年5月14日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2ー1中日 ( 2021年5月13日    甲子園 )

<神・中(8)>7回2死一塁、代走・熊谷は二盗を決める(撮影・大森 寛明)
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 【赤星憲広 視点】熊谷の二盗も勝因の大きな一つに挙げたい。0―1の7回2死から四球の原口の代走で出て初球に成功。けん制球を2度もらったのもいいスタートを切る上では大きかった。けん制が一つも来ない方が不気味なものだ。

 1点ビハインドが一番走りづらい。アウトになれば勢いをストップさせてしまう恐れがあるからで、実際にこの試合でも3回2死から糸原が、5回1死から梅野が捕手・木下拓の強肩に刺されている。糸原の初球の試みはクセや傾向など相手を研究した上でのものだろうし、梅野の時も打者の秋山がバントの構えを見せたためビシエドがチャージをかけ、早めに一塁ベースから離れてスタートを切りやすい状況だった。決して、やみくもではなく勝算があったと思うのでスタートを切るのは悪くはないが、それでもセーフとアウトではその後の流れが全然変わってしまう。

 11日の初戦でも7回2死から「代打原口」→「代走熊谷の初球二盗」から追いついている。「熊谷の足」という得点パターンが確立され、チームに欠かせない武器となった。(本紙評論家)

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2021年5月14日のニュース