国学院大・山本ダンテ武蔵が2冠&MVP「優勝に貢献できてうれしい」

[ 2021年5月14日 19:45 ]

東都大学野球・最終週最終日   国学院大4―2中大 ( 2021年5月14日    神宮 )

<中大・国学院大>8回無死満塁、同点の押し出し四球を選ぶ国学院大・山本ダンテ武蔵(撮影・村上 大輔)
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 つまらない小説は途中で読むのを止めるのに、スイング改造だけは飽きなかった。

 国学院大の3番に座る山本ダンテ武蔵(4年・大阪桐蔭)は、今季は12試合中、10試合で打点を挙げるなど17打点、5本塁打で2冠を獲得。チームを10年秋以来2度目の優勝に導き、MVPに選出された。「(数字は)気にしていなかった。やりきった結果が2冠だった。優勝に貢献できてうれしい」と、会見で笑みがこぼれた。

 昨秋のリーグ戦後から、スイングの改良に取り組んだ。「ダウンスイングではなく、レベルスイングにした」。緩いボールを右中間に打ち返す練習をひたすら繰り返した。鳥山泰孝監督が「ずっと継続してやっていた」と感心したほどだった。

 3月のオープン戦で右太腿裏を痛め約3週間、野球ができなかった。「もっと打てるようになりたいなと思ったり、自分はやっぱり野球が好きなんだなと」。卒業後は一般就職するつもりで、昨年は英会話教室にも通った。海外で働く夢があったからだ。それでも、このケガが転機となり、社会人で野球を続けることに決めた。

 中大との最終戦では、1点を追う8回に押し出し四球を選び、同点。その後、チームは2本の犠飛で勝ち越した。「打ちたかったですけど、まずは同点なので。ヒットと同じくらいの価値はあるのかな」と胸を張った。

 昨年までの3年間で1本塁打だった男が、1シーズンで5本塁打。ギリギリでシーズンに間に合った野球小僧が、最後まで大暴れしたシーズンだった。(川島 毅洋)

 ◇山本ダンテ武蔵(やまもと・だんて・むさし)2000年(平12)3月16日生まれ、広島県出身の21歳。大柿スポーツ少年団で野球を始め、三高中では広島瀬戸内シニアに所属。大阪桐蔭では4番を打ち、3年春のセンバツで優勝。同年夏は3回戦で仙台育英に敗れた。高校通算15本塁打。50メートル6秒0。趣味は読書。1メートル74、93キロ。右投げ右打ち。 

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