北海、10年ぶりセンバツ　史上初の4元号勝利で一気に悲願の全国制覇狙う

10年ぶりのセンバツ出場を喜ぶ北海ナイン
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　第93回選抜高校野球大会（3月19日開幕、甲子園）の選考委員会が29日、毎日新聞大阪本社で行われ、出場32校が決定。昨年の秋季北海道大会優勝の北海が10年ぶり13度目の出場を決めた。今年は1901年（明34）の創部から120周年の節目。全国有数の古豪が、最速145キロの左腕エース木村大成（2年）を中心に史上初の大正、昭和、平成、令和の甲子園大会4元号勝利、そして悲願の全国制覇を目指す。

　前夜からの雪も、センバツ出場が決まるころにはやんだ。10年ぶりの春。新雪に足を取られながらも、グラウンドに立った北海ナインに笑顔があふれた。木村は言った。「0点に抑えることはもちろん、テンポを意識して打撃につながるピッチングをしたい」。その目は早くも2カ月後の本番を見据えていた。

　同校として令和初の聖地で、偉業に挑む。大正、昭和、平成に続く全国初の4元号での甲子園大会勝利。今年創部120周年の古豪だからこそ挑戦できることだ。

　宮下朝陽主将（2年）は「伝統ある北海高校で、自分たちの代で120周年の節目に甲子園に出られるのはうれしい。素晴らしい結果を残せるようにしたい」。北海中時代の1920年（大9）夏に北海道勢として初めて全国大会に出場し、22年（大11）夏の1回戦（対名古屋商）で全国初勝利を飾った。甲子園大会の歴史とともに歩んできた北海野球部にとって、今年も新たな1ページをしるす春となる。

　コロナ下で全てが思い通りにいかない中でも、目標があるからこそ頑張れる。昨秋、2完封を含む8試合52回2/3で防御率0・34をマークした木村は、体づくりのためにタンパク質を多く含む鶏の胸肉を多い時には1日1キロを電子レンジで加熱して“鶏ハム”にして食べているという。体重は昨秋より3キロ増の78キロ。平川敦監督（49）が「スイッチが入ったというか意識、意欲がいい」と評する左腕は「体づくりの面は8割ほどできている。まだ実戦練習ができていないので、早く感覚に慣れて甲子園に挑みたい」と充実感をみなぎらせた。

　出場決定を受け、平川監督は「甲子園で試合ができることを幸せに思って力を発揮してほしい」と話した。コロナ禍での限られた状況の中で、本番へさらに準備を進める。「全国で1位になるチャンスが自分たちにはある。やるからには全国一を目指して頑張りたい」と宮下主将。節目の年に迎える令和初の甲子園で、古豪の存在感を見せつける。（竹内　敦子）

　〇…北海は過去、春夏の甲子園大会で通算33勝50敗。大正2勝4敗、昭和22勝34敗、平成9勝12敗と3元号で白星を挙げてきた。大正の初勝利は北海中時代の1922年（大11）夏1回戦で、名古屋商に勝利して8強入り。昭和の初勝利も北海中時代で、28年（昭3）夏2回戦で豊中中を撃破。この年は4強入りした。平成の初勝利は94年（平6）夏1回戦で宇和島東を退け、同年は8強進出した。

　〇…過去の4元号出場校は令和最初の甲子園となった19年夏に出場した静岡、広島商、米子東、高松商。4校とも大正、昭和、平成に甲子園大会勝利を挙げているが、19年夏は全て初戦敗退だった。今回センバツ出場校で4元号出場となるのは北海1校で、勝てば初の4元号勝利となる。