阪神・近本 球団3年目野手最高額7500万円 新たな“頂”へ「最多安打を目指す」

[ 2020年12月16日 05:30 ]

契約更改を終え、会見する阪神・近本
Photo By 代表撮影

 阪神の近本光司外野手(26)が17日、西宮市内の球団事務所で交渉し、3000万円増の年俸7500万円(金額はすべて推定)で契約を更改した。3年目では00年坪井智哉(5500万円)を上回る球団野手の最高額。新選手会長に就く来季も不動のリードオフマンとして期待され、新たに「最多安打」のタイトルを照準に定めた。

 近本は来季獲得したいタイトルを問われ、新たな“頂”をはっきりと見据えた。

 「タイトルはそうですね…3年連続の盗塁王もそうですけど、最多安打を目指してやりたいですね」

 以前から掲げてきた3年連続盗塁王、打率3割、100得点に追加。「タイトルを聞かれたので…そこは目標というよりは」と苦笑いを浮かべたものの、1番打者として決して遠くない「冠」であることは間違いない。120試合制だった今季の139安打はリーグ最多の中日・大島に7本差。球団では13年のマートン以来の戴冠を「難しい」と謙虚に見据えつつ、照準を合わせた理由があった。

 「来年の目標は100得点です。そのためには、より多くのヒットを打たないといけない。野球は得点が全てのスポーツ。より多く自分の仕事ができるように優勝するために得点が全てなので」

 リードオフマンとして、最もこだわるのは100得点で変わらない。だからこそ、起点になる安打数も多ければいい。「塁にも出ないといけないし、先の塁にも進まないといけない」。10年のマートン(105得点)以来となる大台に達した時、結果として最も安打を放った男になっているのが理想だ。

 最大の武器である走塁への向上心も尽きない。「個数もあまり伸びなかったですけど、盗塁してから得点につながるデータも良かった。来年はより大事な場面で走ることだったり、得点につながる走塁、盗塁を増やしていきたい」。理想の1番像についても「二塁打を打てるのが一番いい。ノーアウト二塁では得点の確率も変わる」とうなずいた。

 チーム唯一の全試合出場で自己最高の打率・293を残すなど2年目の壁を打ち破って進化。3年目での年俸7500万円は15年の藤浪に次いだ。選手会長を務める来季へ視線は鋭い。「自分だけのプレーを考える歳でもない。行動を見られてるという意識を持って。優勝することを目指して自分が先頭に立って、引っ張っていけるように」。多くのものを背負っても、トップスピードは緩めない。(遠藤 礼)

 ○…阪神のリーグ最多安打は過去11人で15度。表彰対象となった94年以降では10、11、13年のマートンだけ。日本人選手で最多安打なら93年和田豊以来で、チーム初タイトルになる。100得点は10年のマートンまで9人が11度到達。日本人選手では05年の金本知憲と赤星憲広が最後。

 ○…近本の自身の得点に絡んだ盗塁は19年、20年ともに15個。ただし全盗塁に占める割合では19年36盗塁、20年31盗塁と分母の違いから41・7%→48・4%と上がった。

続きを表示

2020年12月16日のニュース