引退表明の楽天・久保裕也 野球人生の原点にあるG原監督の「愛のムチ」

[ 2020年11月7日 11:28 ]

楽天・久保裕也 現役引退

巨人時代の久保
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 久保と言えば、思い出すのが、東海大の先輩にあたる巨人・原監督からの「愛のムチ」だ。第2次政権初年度の2006年。3月12日の阪神とのオープン戦(甲子園)だった。8回に登板した久保は一発を含む3失点。原監督は激怒し、わずか1/3回で降板させた。さらにベンチ奥で説教が始まった。直立不動の久保に「何回も同じことをしやがって!」。その間に2度、指揮官の右足が飛んだ。左足を蹴られた久保の顔面はそう白だった。

 「蹴った?“なでなで”しただけだよ。しっかり頑張ろうということ。久保の役割は大きい。期待の星なんだから」

 4年目の久保には抑え投手につなぐ、7回の1イニングを任せる構想があった。それが7日の横浜戦では1点リードの9回2死でカウント1―0から吉村に同点弾。「この前と一緒。彼は役割が大きいんだから」と憤る指揮官に、久保も「監督も頭に来ているでしょうし…。同じミス。内容が悪いです」と肩を落とした。

 「怒るというのは相手に思いを伝えたいから」というのが、当時の原監督の持論だった。以後、久保は中継ぎエースとして活躍し、巨人で15年までプレーした。さらに、DeNA、入団テストを受けて楽天でもプレー。17年間の野球人生の原点は、原監督の「愛のムチ」だった。

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