阪神1位、近大・佐藤輝 パワー魅せたフェン直三塁打 好守も披露しマルチな才能発揮

[ 2020年11月7日 05:30 ]

関西地区大学選手権   近大6―3大商大 ( 2020年11月6日    南港中央 )

<大商大・近大>7回2死一、二塁、近大・佐藤は2点適時三塁打を放つ(撮影・後藤 大輝)
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 阪神にドラフト1位指名された近大・佐藤輝明内野手(22=仁川学院)にとって学生最後の戦いとなる、関西地区大学選手権大会が6日、開幕した。大商大戦(南港中央)に「4番・三塁」で先発出場。7回2死一、二塁で右翼フェンス直撃の2点適時三塁打を放つなど持ち味のパワーを見せつければ、守備でも絶妙の犠打を素手で処理して一塁アウトにするなど攻守にマルチな才能を見せつけた。

 この男の持ち味は、打撃だけにとどまらない。学生最後の大会を迎えた一戦で、佐藤輝は好守を連発。総合力の高さを示した。

 「(守備で参考にしているのは)アレナド(ロッキーズ)とかですね。(映像を)見るのは好きです」

 デビューから8年連続でゴールドグラブ賞を受賞した名手を手本とする大砲候補が、まさに“メジャー級”の守備を披露したのは3回1死一塁。相手が試みた犠打は、三塁線に絶妙な当たりで転がった。三塁ベース前から猛然とダッシュした佐藤輝が差し出したのは、グラブではなく右手。「セカンドで刺そうと思ったんですけど、無理だったので(一塁に)投げました」。素手で捕球して素早く一塁転送する好判断で、間一髪アウトにしてみせた。

 「チームで練習している通りのプレーができたと思います」

 7回1死一、三塁でも、投ゴロで飛びだした三塁走者を挟殺プレーで三塁付近でタッチアウト。すると、すぐさま一塁走者の二塁オーバーランを見逃さず、今度は遊撃に転送。瞬時の判断で併殺を完成させるビッグプレーで流れを引き寄せた。

 これには、近大・田中秀昌監督も指名あいさつ時に続き、教え子の野手起用を熱望した。「佐藤ならではのプレー。ポテンシャルが高くて華のある選手なんで、サードでもファーストでも内野に置いてほしい」。プロ入り後は外野起用の構想があるとはいえ、内野の適性も改めて示した。

 打撃でも4―2で迎えた7回2死一、二塁で左腕・花村の初球の直球を一閃。もう少しで本塁打かというフェンス直撃の2点適時三塁打で相手を突き放し、持ち前の長打力を見せつけた。8日には関西国際大と奈良学園大の勝者と決勝戦に臨む。「僅差の戦いになると思うけど、そこでしっかり勝ちきって。悔いのないようにしたい」。優勝を手土産に、プロの世界へ飛び込んでみせる。(阪井 日向)

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2020年11月7日のニュース