早大・早川 13Kでリーグ戦初完封 10球団スカウトうならせた

[ 2020年10月4日 05:30 ]

東京六大学野球・第3週第1日   早大2-0法大 ( 2020年10月3日    神宮 )

<法大・早大>力投する早大先発の早川(撮影・河野 光希)
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 東京六大学野球は1回戦2試合が行われた。早大のドラフト1位候補左腕・早川隆久投手(4年)が法大戦に先発し、4安打13奪三振、無四球でリーグ戦初完封。2―0で先勝した。

 不意な一言だった。4日前。東伏見での練習中、早川は小宮山悟監督にこんな言葉を投げかけられた。

 小宮山監督 明大戦は9回2死から点を取られてシャットアウトできなかった。(ドラフト)1巡目で指名されるような選手がリーグ戦で完封したことないってのは格好悪い。点を取られなければ投げさせるぞ。

 早川 その通りですね…はい。

 少ない言葉で返したが、エースは見事に約束を果たした。
 最速151キロを軸に変化球を自在に操って初回先頭から4者連続三振を含む13三振を奪った。今季初登板だった9月19日の明大戦での17奪三振に続く奪三振ショー。DeNA・三原一晃球団代表、日本ハム・吉村浩GM、西武・渡辺久信GMら球団幹部がズラリとそろった10球団のスカウトの前で、2試合で30奪三振と強烈なインパクトを与えた。

 快投が続く中で、味方も8回まで無得点。そうなれば主将でもあるエースには打者でも責任がある。9回無死一塁からの打席では送りバントが敵失を誘い無死一、二塁。土壇場での決勝の2点へつなげた。7回には走者で激走とスライディングも見せた。「走者でいる時はしんどかったけど、切り替えながらできた。投手は9人目の野手」と疲れを見せなかった。そればかりか西武・渡辺GMは「全てにおいてレベルが高い。走り方も良かった」と走りも評価。もちろん投球にはDeNA・三原代表が「直球に力があるし間違いなくドラ1候補」とした。

 孤軍奮闘ぶりに小宮山監督は「僕ならベンチ裏で暴れていたと思う。よく辛抱した」と独特の表現で称賛。早川は「(主将が背負う)10番の重みがこういう投球をさせてくれている。完封はうれしいけれど、優勝しか見ていない」と大きな約束を口にして、さらに表情を引き締めた。(松井 いつき)

 ◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日生まれ、千葉県出身の22歳。千葉・上堺小1年からソフトボールを始め、横芝中では軟式野球部。木更津総合ではエースとして3年春夏の甲子園に出場しともに8強入り。早大ではリーグ通算10勝12敗。231奪三振は現役トップ。1メートル79、77キロ。左投げ左打ち。

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