女房役がドラ1ルーキーの黒星消した!オリ、伏見の一振りで連敗止める

[ 2020年10月4日 17:20 ]

パ・リーグ   オリックス9―2楽天 ( 2020年10月4日    京セラD )

<オ・楽>7回同点打の杉本裕太郎(右)と勝ち越し打の伏見寅威はカメラマンに向かってガッツポーズ(撮影・井垣 忠夫)
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 “先輩”の面目にかけても、凡打で終われない。同点に追いついた直後の7回1死満塁。打席へ向かう伏見のモチベーションは頂点に達していた。カウント1―0からの2球目。甘いスライダーを素直にはじき返す。右中間を深々と破った走者一掃の適時三塁打。3日に4度無得点だった鬼門のフルベースで、ようやくスタンドを熱狂させる快音が響いた。

 「みんなで作ってくれたチャンスですし、燃えていました。宮城の負けを消すことができて良かったです」

 声のトーンに興奮が交じっていた。ドラフト1位ルーキーの宮城を先発マウンドに立てた一戦。伏見も必死のリードで、19歳の潜在能力を引き出した。初回いきなり無死一、二塁のピンチを招きながら、鈴木を右飛、浅村、和田恋を連続三振と“クリーンアップ斬り”。12球団の高卒新人で初めて1軍登板した左腕は、MAX148キロのストレートと、カーブ、スライダー、チェンジアップを小気味のいいリズムで投げ込んでいく。5回被安打7、2失点、99球のデビュー戦。宮城は1点ビハインドで降板したものの、7回の逆転劇でプロ初黒星も消滅した。

 「立ち上がりは緊張していたし、捕手も遠く見えていた。全体的にはストレートの感覚が良かった。(1軍の打者は)甘いボールをしっかり振ってくるし、厳しいボールも見極められたり、簡単にはアウトになってくれないと思いました」

 勝敗はつかなくても、クレバーなサウスポーはしっかり現状を認識していた。もちろん、中嶋監督代行の評価も高い。

 「合格点というよりはいい投球だったと思います。やっぱり並の高校生上がりではない」

 チームは連敗を3でストップ。シーズン残り1カ月になり、逆襲の2021年に向けた種が蒔かれはじめている。

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2020年10月4日のニュース