“新人王あきらめん”広島・森下 熱投121球、思い出の神宮で7勝目 巨人・戸郷に再接近

[ 2020年10月4日 05:30 ]

セ・リーグ   広島13-2ヤクルト ( 2020年10月3日    神宮 )

<ヤ・広16>7回2死二、三塁、代打・宮本を抑え雄たけびを上げる森下(撮影・西尾 大助)
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 広島・森下暢仁投手(23)は3日のヤクルト戦で、7回無失点に抑えて、チーム単独トップとなる7勝目を挙げた。明大時代にリーグ戦で通算13勝した神宮球場では、プロ2試合目での初勝利。9月10日のヤクルト戦以来3試合ぶりの白星で、新人王を争う巨人・戸郷の8勝に1勝差に再接近した。

 森下は、ギアを一度も緩めなかった。普段は要所で計測する150キロ台は、走者がいない場面も含めて計17球を数えた。「直球が良かったおかげで、うまく投げられた。必死に一人一人に投げた」。相手を圧倒した7回無失点だった。

 鋭い勝負勘を持つ。4番・村上には初回2死二塁で直球での空振り三振を奪うなど、通算7打数無安打だ。6点先制した直後の7回には、2死から連打を許して二、三塁。代打・宮本を初球のチェンジアップで三邪飛とし、121球、5奪三振で熱投を締めた。

 ヤクルト戦前の神宮球場では、大学4年間を戦った東京六大学の秋季リーグ戦が行われていた。明大のエースを継承した入江とは、プロ入り後も連絡を欠かさない。「結果にこだわって後輩にいろんなことを伝えてほしい」。大学1年時、4年生エースだった柳(現中日)からは「結果を残さないと信頼される投手にはなれない」と学んだ。森下は4年春に大学日本一。結果で後輩に見本を示すのが明大の伝統である。

 在学時に指導を受けた善波達也前監督からは「仲間を裏切るなよ」と何度も伝えられた。私生活、練習から手本になりなさいとの意味である。大学4年で務めた主将で「勝利への自覚が生まれた」。1年目から先発の勝ち頭となる重責に耐えられるのは、神宮での4年間が土台にある。

 「何とかここ(神宮)で勝てて良かった。プロの世界に行けるように成長させてもらった場所。いまにつながるいい経験になった。必死に投げる姿で後輩の刺激になれるようにと思った」

 7勝目を挙げて、新人王を争う巨人・戸郷に1勝差に再接近した。規定投球回に達し、防御率2・43はリーグ4位。「(新人王を)獲りたい気持ちなので、1試合ずつ積み重ねていくしかない」。新人王にまた一歩近づく快投だった。 (河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督(前回9月26日のDeNA戦での7回4失点から修正した森下について)失敗を2回続けないのはさすが。だから7勝できている。すごいルーキー。残り試合が少ないけど、2桁勝利を目指してほしい。

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