巨人・中川 投球フォームを変えない理由 菅野の“金言”で決断

[ 2020年2月8日 10:00 ]

キャッチボールで汗を流す巨人・中川
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 宮崎で行われている巨人の春季キャンプ。この時期、ブルペンで興味深く見ているのが、投球フォームの変更である。今年の巨人では菅野に驚かされた。腕から始動する新フォームに変えた。「昨年ダメだったので」。探究心は止まることがない。

 1年目だった昨季に1軍デビューした戸郷や畠、今村らも新しい形を模索しながら投球練習に励んでいる。一方で、昨年と同じフォームで黙々と投げ込む選手がいる。5年目の中川だ。昨年はチーム最多となる67試合登板。途中には守護神も担った。

 昨オフの契約更改時には「落ちる球を覚えたい」と投球の幅を広げる予定だった。12、1月のハワイ自主トレではフォークやチェンジアップも試した。だが「器用じゃないこともあって、新しいものに挑戦するとどうしてもそこに時間をとられる。まずは今やっているもののレベルを上げることにしたい」と方針転換。球種も増やすことなく、投球フォームも同じままにした。

 自主トレに同行させてもらった菅野にも常日頃から「一番は自分の感覚。それを大事にしたほうがいい」と助言を受けている。「落ちる球があればいいですけど、まずは今の自分をもう一つ上に持っていくことですね」。エースの言葉通り、最後は自分自身で決めた。投球の幅ではなく、質の向上を選んだ。

 昨年は4勝3敗16セーブ、防御率2・37と好成績を残した。今季の目標は「60試合以上の登板です」。そのために外見の変化ではなく、中身を変えることに取り組んでいる。(記者コラム・川手達矢)

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2020年2月8日のニュース