日本ハム ビヤヌエバ獲り!“新ビッグバン打線”へ右の大砲に白羽の矢、小笠原ヘッドで再生期待

[ 2019年12月5日 05:45 ]

巨人から自由契約となったビヤヌエバ
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 日本ハムが巨人から自由契約となったクリスチャン・ビヤヌエバ内野手(28)の獲得調査に乗り出していることが4日、分かった。来日1年目の今季は打撃不振で力を発揮できなかったが、18年にパドレスで20本塁打を放った右の長距離砲。14年ぶりに古巣に復帰した小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)の指導も仰ぎ、「新ビッグバン打線」の一翼を担う。

 今季はリーグワーストの93本塁打に終わり、5位に沈む要因となった。長打力不足解消に向け、日本ハムが白羽の矢を立てたのがビヤヌエバだ。今月2日に自由契約選手として公示され、球団は獲得調査に動きだした。

 メキシコ出身のビヤヌエバは17年にパドレスでメジャーデビュー。翌18年に急成長し、20本塁打をマークした。鳴り物入りで巨人に入団。「日本の野球に適応していきたい」と話していたが、初めて対戦する日本の投手の変化球中心の投球に対応できず、打撃不振に苦しんだ。不慣れな環境もあり、73試合で打率・223、8本塁打、24打点に終わった。

 ただ、来日2年目となれば適応する可能性は十分にある。さらに年齢も28歳と若く、伸びしろも十分。野球に対しても真面目で練習に熱心に取り組み、巨人時代は同僚やスタッフから「ビヤ」と呼ばれて慕われていた。

 今季、4番の中田は右手を痛めた7月下旬以降に成績が急降下し、台湾の4割打者として期待された「大王」こと王柏融(ワンポーロン)も打率・255、3本塁打に終わった。球団にとって、強打者の獲得は今オフの補強の最大のテーマ。ビヤヌエバが加入すれば、打線に厚みが増すことになる。

 「ビヤヌエバ再生」へ、頼もしい存在もいる。現役通算2120安打、378本塁打を誇る小笠原ヘッド兼打撃コーチだ。90年代後半に「ビッグバン打線」の一翼を担い、その後も主軸として活躍した。14年ぶりに古巣に復帰した来季は、指導者として打線の強化を託されている。打撃理論や練習方法などの引き出しも多く、ビヤヌエバにも的確な助言を与えるだろう。

 来季で就任9年目を迎える栗山監督は「何が何でも勝たなければいけない」と背水の覚悟で4年ぶりのV奪回を目指している。ビヤヌエバを獲得すれば朗報となり、右の大砲に中軸を任せることになる。そのビヤヌエバもメジャーで活躍した本来の姿を取り戻し、和製大砲候補の清宮が成長を遂げれば、「新ビッグバン打線」を形成できる。

 ◆クリスチャン・ビヤヌエバ 1991年6月19日生まれ、メキシコ出身の28歳。08年にレンジャーズと契約。12年にカブス、16年にパドレスに移籍。17年9月にメジャーデビューし、大谷(エンゼルス)とともに18年3、4月度の月間最優秀新人賞に輝いた。メジャー通算122試合で打率.245、24本塁打、53打点。今季は巨人で73試合で打率.223、8本塁打、24打点。1メートル80、95キロ。右投げ右打ち。

 ▽ビッグバン打線 98年の田中幸雄、片岡篤史、ウィルソン、ブルックスらをそろえた強力打線の愛称。86年に英国が実施した証券売買手数料の自由化など、証券制度の「大改革」を当時の打線に例えた言葉で、球団が公募して決定。00年には小笠原道大、オバンドーも活躍し、打撃9部門で12球団トップを記録した。

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